稲田朋美防衛相が南スーダンを訪問し、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の部隊を視察した。安全保障関連法で可能になった「駆けつけ警護」を新たな任務として付与するための環境づくりの一環だ。
「(治安が)落ち着いていることを見ることができ、関係者からもそういう風に聞くことができた。持ち帰って政府全体で議論したい」
就任後初めて南スーダンを視察した稲田朋美防衛相は8日、同行した代表取材の記者団にこう説明。不安視されている現地の治安の安定性を強調した。稲田氏は9日に帰国し、同国に派遣する陸自部隊に新任務を付与するか検討を加速させる。
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自衛隊が南スーダンへ派遣されていますが、これは国連平和維持活動(PKO)の一環で
日本が経済大国の一員なった今、避けては通れないのでしょう。
日本はもはや極東の敗戦国で小さな島国だと言って国際貢献から逃げている訳にはいかないのです。
出来たら危険な国、地域には行きたくない、行かせたくない、と思うのは人情ですが
持ちつ持たれつ、弱者を助けるという意味ではこのようなPKO活動に貢献すべきなのですね。
ところで政治家やマスコミの論調を聞いていると、
自衛隊の南スーダン派遣を決めたのは自民党政権だと思っていましたが
民主党政権野田首相の時だったんですね。
なんと国連総会で「司令部要員として自衛官を派遣する準備をしている。」と演説もしています。
そして2011年11月に閣議決定され2012年1月に自衛隊員が派遣されたのです。
(だからと言って、自民党に責任がないとは言いませんが)
自衛隊の駆け付け警護が認められたとは言え、現地を視察するのも重要です。
防衛大臣による視察は2014年の小野寺大臣が最初でその後中谷大臣が続いています。
ですから稲田大臣が視察するのも当然なのでしょう。
特に「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」が安保法案で可能になりましたが
実際これらの任務を付与するかどうかの判断する為には必要な視察でした。
因みに「駆けつけ警護」は武装勢力に襲われたNGO職員らを武器を持って助けに行く任務で、
今までは武装勢力が襲撃してきても、相手が攻撃して初めて武器使用が許され
要するにNGO職員や自衛隊員に犠牲者が出ないと何も出来なかったのです。
国会で「自衛隊員の命を疎かにするのか」と言っている野党。
従来の法律では自衛隊員もNGO職員の命も守れなかったのを理解しているのでしょうか。
昨年の安保法案成立までの議論でこの「駆け付け警護」が問題になっていましたが
自衛隊員の命を守る為にも必要な法律です。
特に南スーダンではインフラ整備が遅れているので自衛隊員の活動が期待されているとか。
極めて危険な状態にならない限り、自衛隊の撤退はないでしょう。
国際貢献の意味からも簡単には撤退できません。
ですから法整備を万全にすることは必要不可欠です。
今なお不便で不衛生な状態に置かれている南スーダンの人達。
彼らの生活が向上し、安心して暮らせるように、自衛隊員に活動してきてもらいたいです。