岸田文雄首相が、安定的な皇位継承策の本格的な議論に向けて動き出した。期待する声もある「愛子天皇」は可能性があるのか。評論家の八幡和郎さんは「皇室の永続性のためには、旧宮家の男系男子と女系の両方の可能性を残しておくことが必要だ。ただし、現行法制では愛子さまが天皇になることはまず無理だし、制度改正してもチャンスがあるのは愛子さまの子孫だ」という――。

■自民党内に「皇位継承を考える会議体」が誕生

岸田文雄首相が10月30日の衆院予算委員会で、安定的な皇位継承について「喫緊の重要な課題」と述べ、自民党内に総裁直属の会議体を設置すると表明した。

現在、日本の皇位継承資格は父方に天皇の血を引く「男系男子」に限定されており、資格を持つのは秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人のみ。しかも、天皇陛下の次世代は悠仁さましかいないので、悠仁さまに男子が生まれなかった場合にどうするかが懸念されているわけである。

その場合、戦後に皇族でなくなった旧宮家の男子とともに、女系天皇や女性天皇も視野に入れるべきという議論も出ている。

また、具体的な制度論は横に置いて、愛子さまを天皇にという漠然とした国民の期待もある。(以下略)

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