
政府は、2019年5月1日の皇太子さまの即位に伴う一連の儀式について、同年4月30日の退位後に上皇となられる天皇陛下が出席しない形式とする方向で調整に入った。
新天皇と上皇の間で「象徴の二重化」を避ける狙いがある。
政府は「即位の礼」などについて、前回の代替わりの際の考え方や内容を基本的に踏襲する方針だ。しかし、崩御によらない皇位継承は現憲法下で初めてで、新天皇が即位当日に皇室に由緒ある品々を引き継ぐ「剣璽けんじ等承継の儀」や、即位の礼の中心儀式である「即位礼正殿せいでんの儀」(同年10月22日)に、上皇が出席されるかどうかが論点となっていた。
政府は象徴が二重化しないよう上皇が出席されない形で儀式の詳細を詰める方針だ。政府の式典準備委員会が意見聴取した有識者からも陛下のご負担を考慮し、「皇位継承関連儀式への上皇としてのご出席は必要ない」との指摘が出ていた。*****************************************************************************************
即位の礼は来年5月1日ですが、その前の4月30日には今上陛下は退位されます。
あと1年ですか。
月日の経つのは早い。。。。。
で、即位の礼には上皇になられた明仁殿下は出席しないとか。
これは象徴の二重化を回避する狙いだそうです。
では「象徴」とは何でしょう。
「天皇は国の象徴」だとわかっているものの、具体的にどのようなものかと言われれば
説明に窮します。
日本国憲法には次のように書かれています。
天皇の国政への関与や摂政についても書き出しましたが、象徴については
「天皇は日本国の象徴」「天皇は日本国民統合の象徴」
としか書かれていません。
2年前の天皇陛下のおことばが宮内庁のサイトに紹介されていますが、
そのタイトルが「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」で、
全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが,難しくなるのではないかと案じています。
今上陛下の象徴としてのお務めは「国民の気持ちに寄り添う」事なのでしょうか。
「困っている国民を勇気づける為」被災地への訪問なのでしょうか。
大東亜戦争で東南アジアや太平洋諸島の人達への謝罪と、日本兵への慰霊なのでしょうか。
果たしてこれが日本の象徴としての務めなのか私にはよくわかりません。
特に力を入れている東南アジアや太平洋諸島諸国への訪問は
昭和天皇が果たせなかった事を代わりにされる、
昭和天皇の第一皇子としての務めとの思いだとすれば納得できますが、どうなのでしょう。
今上陛下は憲法を変えてまでご自分の意思を通されました。
それだけ生前退位は重いものです。
そしてこれが前例となり、世論調査や街の声で憲法が簡単に変えられる可能性を考えると
本当にこれで良かったのかと、今更ながら思います。
生前退位ですから、皇太子に象徴とは何か、象徴とはこの様な務めだと、
具体的にお見せできる機会を持ち易いでしょう。
しかしその機会を持たれているかというと疑問です。
象徴はどのような事を指すのか、憲法では実に曖昧です。
その時代によって象徴としての務めは違うから敢えて具体的に書かなかったともとれます。
今上陛下が重要視された海外の慰霊の旅は平成で終わりにして頂きたいですが
時代が代わっても継承していく象徴としての務めはあると思います。
その最たるものは、国家と国民の安寧と繁栄を祈る祭祀ではないでしょうか。
これが他国の王室にはないもので、日本古来から伝授され続けられているものです。
果たして、次代の天皇は祭祀についてどれだけ重要視されているか、
そして皇后としての役割をどれだけ理解されているのか疑問です。
今までは皇位継承する時期は漠然としていました。
しかし天皇陛下のおことばで特例法まで作り、即位する日にちまではっきりしています。
ですから退位の日までに皇太子に象徴としての務め、
祭祀の重要性を伝授して頂きたいです。