教科書検定 中韓への過剰配慮から正常化へ大きな一歩(産経新聞) - goo ニュース
昭和57年に行われた高校の教科書検定で、中国・華北への「侵略」の記述を「進出」に書き換えさせたとマスコミ各社が誤報して以来、中国や韓国が教科書検定のたびに日本に抗議し、両国に過度に配慮した教科書が作成されるようになった。
それから30年余り。来年春から使われる小学校の教科書に、竹島や尖閣諸島について政府見解に沿った記述が盛り込まれることは、教科書正常化への大きな一歩といえるだろう。
これまでの教科書は、小・中・高校とも北方領土については政府見解に沿って説明していたが、竹島と尖閣諸島に関しては、踏み込んだ記述がほとんどなかった。その間、竹島には韓国大統領が上陸し、尖閣周辺では中国船の領海侵犯が相次ぐなど、両国とも、自分たちに有利な既成事実を着々と積み上げてきたことは周知の事実だ。
国民一人一人が領土に関心を持たなければ、相手国との間に力強い交渉はできない。韓国も中国も領土について、自国の見解を教科書で詳しく教えている。
文部科学省は今年1月、教科書作成の指針となる中学と高校の学習指導要領解説書を改定し、竹島と尖閣諸島を「わが国固有の領土」と明記、政府見解を反映させる方針を打ち出していた。新しい小学校の教科書は、この中高の解説書を先取りしたといえる。
今回の教科書検定を機に、学校現場での領土教育を一層充実させることが求められている。(川瀬弘至)