僕は今は派遣社員として働いていますが、69歳の自分が未だ働けるのはありがたい話です。
しかし派遣制度の一番の問題は、僕の様なジジイではなく家族を養う様な年齢の若者が派遣社員の身分に甘んじて働かざるを得ないところに有ります。
派遣社員というモノは一ヶ月前に事前通告をすれば(若しくは契約更新をしなければ)、派遣先の会社は派遣社員を退職金無しに何時でもクビを切れる制度なのです。
その社員の労働姿勢に致命的な問題が無くても、会社の一方的な都合だけで解雇出来る制度は、個人の都合に合わせた働き方が出来るという美名の元に制度化された、正に会社の都合で労働力を安く使える現代の奴隷制度に他なりません。
この制度のきっかけを作った小泉・竹中政権の竹中平蔵は、今はパソナグループ(派遣会社関連の企業)の社長として、年間売上高3200億円を誇る政商企業です。
昔の日本の企業は年功序列型の護送船団方式で、国民の生活は保証されていましたが、現代は利潤追求の弱肉強食社会へと様変わりしました。
更に安倍政権は一億総活躍時代と称して、死ぬまで働かなくては生活出来ない日本に変えようとしています。
僕の親の世代の定年年齢は55歳でしたが、今は65歳へ移行している途中で、将来的には70歳(或いは無期)に引き上げられ様としています。
昔の日本の多くの国民は、其なりに人格を国が認めていたのでしょうが、現代(或いは此から)の日本国民は使い捨ての商品化されようとしている様に思えて仕方ありません。
世の中の価値観は時代と共に変化して行きますが、古い制度は時代遅れのレッテルを貼られてお蔵入りとなりますが、国民にとっては何れが暮らしやすいかは別問題です。
日本では少子化が危惧されていますが、このまま行けば日本の労働人口は激減して、海外からの労働力に頼らざるを得なくなります。
何故ならば派遣社員で安く使われている若者では、結婚して子供を育てられる余裕が無くなるので、益々少子化が進むからです。
このまま行くと、いつかは日本が日本で無くなる時代が来るように思います。
その原因の大元は、現代の奴隷制度を名前を変えた派遣制度です。
そうなって初めて後悔しても遅いのです。
僕はある一定年齢以下の派遣社員制度は反対です。
派遣社員は少なくとも、60歳以上の国民に適用するべきです。
僕がある若者に薦めた派遣会社は、一定期間後に正社員に登用する約束がある派遣会社ですが、本来の派遣社会制度はせめてそうあるべきです。