ラーメン藤 物部店@守山市古高町:ラーメン並しょう油

この日、午前中は野良仕事に没頭。昼は近場で済まそうかと、今年の5月で閉店を予告している草津の「満丸」に向かうも、臨時休業でザソネソムネソ。
が、草津や守山周辺なら他の選択肢はいろいろある。そういうわけでこの日はココに流れ着いた。実は初訪。京都と滋賀のジモティには、ラーメン藤とはどういうラーメンなのかについて、説明不要だとは思うが、Wikipediaには今のところ記載はなく、手っ取り早く知ろうとすれば京都本店のサイト
ラーメン藤 京都本店を見るのがよいだろう。和歌山県以外の関西と、三重・福井・石川に展開するチェーン店だが、支店ごとに若干の(いや、実際にはかなりの振れ幅で)個性がある。昭和50年代に勢いよくチェーン展開したと記憶するが、平成を過ぎ、令和の今にあって、減って行きこそすれど、今後増えていくことはないと個人的には思っている。現に、つい先日雄琴店が閉店した跡に「角煮ラーメン匠」なる新店がオープンしているそうな。
ところで、ラーメン藤について、当ブログには今はなき黄檗店の2002年頃の姿2007年11月の丹後店2008年5月の京都本店
2018年12月の守山店の記録があるので併せて御覧いただくのも一興かと。
また、一乗寺の麺匠重厚軍団で時折突発限定でリリースする「藤郎」はラーメン藤へのリスペクトで、ラーメン藤が二郎を作ったらこうなるだろう…という創作ラーメンだったりするそうな。(と書きつつ、実は未食)
京都の地ラーメンとして新福菜館・第一旭は京都駅のすぐ近くに本店があることから、行ったことがある人は多かろう。また、来来亭と天下一品もチェーン店の規模からして知名度は高いと思うが、ラーメン藤となると、どうだろう?
思い返せば、自分が初めて食べた「ラーメン藤」は、かつて山科東野交差点西北角にあった支店だった。レンガを積んだ三連釜の厨房をコの字で囲むカウンター席のみの店舗で、現在は京都市営地下鉄東西線東野駅の出入口3がある場所だ。記憶をたどると、ラーメン藤にとどまらず、やがて店舗敷地内に別棟を建て牛モツを中心としたミートショップ「ホルモン藤」を開店。
そうこうするうち、ラーメン藤という屋号は「ビッグラーメン」に変わる。それと当時に山科には「ビッグM」というディスカウントストアが席巻していた。その後、「ビッグラーメン」と隣接するテナントにモスバーガーが入ったりしていたことも記憶している。そのビッグラーメン、現「麺屋裕」の裏側少し北に「ビッグラーメン工場」を残しているが(稼働はしていないようだ)、先日(2020年2月末)、滋賀県大津市雄琴に残っていた雄琴店も閉店してしまった。また、時系列は若干前後するが、山階西野交差点付近の新幹線製高架下に開店した「ラーメン天」もまた、極めてラーメン藤に近い作りのラーメンを食べさせるお店として現存する。なお、今回の記事において、「味の名門」にかかる記述は割愛するが、現在の京都市山科区=かつての京都市東山区山科は、京都のラーメン史を俯瞰する上で避けて通ることの出来ない土地であるとワタシは考えている。

...それはそうと、ある速報自慢のサイトにこういう記述を見た。

『京都市には「山科区」というのがあるが「そこはもう滋賀」です』とか、

城陽や木津を「そこはもう奈良です」とか。

…山科に生まれ育ち、長岡京・城陽で四半世紀を過ごし、今は大津に住むモト京都府民から見れば、あの記述は、京都市内の碁盤の目の中に住まいながらも京都の歴史をきちんと学んでいない、極めて井中の蛙的偏狭な発想であり、キョートの「碁盤の目」の外に生活基盤を置く多くの京都府民の反感を買うたいへん浅薄な記述だと思っている。
ワタシは思う。「山科」は、歴史的に「京都」だ。現に「山科中学校」は京都市立であり、けっして大津市立ではない。
きちんと歴史を知る者の常識として、京都と滋賀の境は「逢坂峠」であろう。蝉丸神社は滋賀。四宮の六角堂、山科(四宮)地蔵・徳林庵は京都。そして、その境目は現地に立てば、実に地続きである。
ハナシをこのお店に戻す。着いたのは、13時30分を過ぎた時刻だったが、店内ほぼ満席。…といっても、一文字カウンターに空席があるにはあるのだが、イス同士の間隔が非常に狭く、場所によっては横のイスとくっついて座るような感じで、要するに椅子の数が多すぎるのではなかろうか(笑
まあ、でも、少しスペースのあるところに陣取ることにして、厨房ダクトの大きく掲示を見る。ラーメン藤に「塩」があるのは珍しいそうで、また、パイタンもココ物部店の名物的メニューと聞くが、何せ初訪の今回、ラーメン並で「しょう油」を選択。そして、初訪にもかかわらずカタネギヲ(メンカタメ&ネギヲヲメ)はしっかりリクエスト。ラーメン藤の近藤麺にラーメン藤のネギヲヲメは、自分の中では定番なのだ。
各種ラーメンメンマ入りは50円増。京都伏見の大黒様もそうだったよな。新福菜館じゃ「竹入り」だな。また、ラーメンを注文せずとも、げうざ、カラーゲ、キムチで過ごすふしだらな呑みにも対応していることが伺える。
厨房は、ラーメン藤伝統の三連釜。ただし、麺茹で&湯切りはテボの中で完結。テラダアキラのように、釜の中に麺を泳がせたところを、平ザルで掬うという理想的な方法ではない。
テーブル上のゲウザ用調味料&ラーメン味変アイテム。率直なところ、灰皿が鬱陶しい。
やがて出来上がってきたナミカタネギヲ。
おお、なみなみと青ネギ&モヤシ!しばらく、麺の姿にたどり着けないほど。ソコがいいんだよね。
やがて現れる低加水ストレートの近藤麺。新福菜館で味わう太めのやつより若干細めの麺。ブタ出汁と、醤油ダレの味と、青ネギまみれと、課長さんのブーストも伴いつつ、至福の時間。
きちんといただいたあと、カウンターの上のところに器とグラスを置き、テーブルをフキフキしてから精算するという流れ。文化としてしっかり定着している様子。
ラーメンの旨さとは、何なのか。
ゲンノツキのような刃の切っ先みたいな味わいも、魅力。
一方、長い時間の中で培われてきた(と同時に花鳥ありきの)ノスタルジックな味わいも、否めない。そんなことを思った。

ラーメン藤 物部店ラーメン / 栗東駅守山駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0

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