丑年と未年の春に行なわれる善光寺御開帳。今年は、4月5日(日)~5月31日(日)の57日間にわたって開催される。
「牛にひかれて善光寺詣り」でおなじみの国宝・善光寺の創建は、飛鳥時代の皇極天皇元年(642)という。
推古天皇朝に草堂を営んで、三国伝来の阿弥陀如来像を本尊とし、642年に、現在の地に堂宇を造営したと伝えられている。中世以後、盛んに尊信された。現在の本堂は、宝永四年(1707)の再建という。
現在は、天台宗の大勧進と浄土宗の大本願とによって管理される単立宗教法人である。
宗派や男女の性別に関係なく、お参りしたすべての人を極楽浄土へ導いてくれることから、「一生に一度は善光寺詣り」といわれ、全国から参拝客が訪れている。
前回、平成15年の御開帳は、期間中628万人の人々で賑わった。
善光寺の御本尊・三国伝来の阿弥陀如来は、いっさい見ることが許されない絶対秘仏で、その「お身代わり」が、前立本尊である。ふだんは宝庫に安置されているが、丑と未にあたる年だけ、本堂に遷され、一般の参拝者がお参りできる。これが「御開帳」だ。
御開帳のシンボルといえば、本堂前の大回向柱。地元の松代町から奉納された高さ10メートルの杉柱には、白い布が結ばれ、これに五色の糸と金の糸とをつないだ「善の綱」と呼ばれる一連の紐が、本堂に鎮座する前立本尊の阿弥陀如来の右手に結ばれている。
この大回向柱に触れることで、前立本尊と握手したことになり、ご利益があるといわれ、柱の周りは参拝者で大賑わいになる。
御開帳行事で最も盛大な儀式が、4月25日(土)、5月9日(土)の「中日庭儀大法要」である。鮮やかな衣装をまとった僧侶やお稚児さんなど、総勢約800名の行列が、本堂に向かって練り歩く光景は、まさに荘厳そのものである。極楽浄土さながらの演出で、御開帳のハイライトを盛り上げる。
御開帳中に毎日行なわれる「御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)」も、ありがたい儀式の一つだ。こちらは、御本尊のご分身ともいわれる宝印を頭に押していただくことで、極楽往生が約束されると言われている。
二ヶ月間にわたってさまざま行事が行なわれる善光寺御開帳。できれば、宿坊に泊まることをおすすめする。(しかし、もう予約で一杯かもしれない)
善光寺には現在、39の宿坊が境内に建ち並んでいる。各宿坊ごとに住職がおり、参拝者に善光寺詣りの世話をしてくださる。
宿坊に泊まる最大の魅力は、住職や宿坊専属の公認案内人による早朝の法要「お朝事」や「お数珠頂戴」などへの案内だ。
善光寺詣りの真髄は、日の出とともに本堂で行なわれるお朝事を参拝することと、お数珠頂戴を受けることである。宿泊者以外の参拝者も参列できるが、宿坊からの方がより充実した参拝が体験できる。
もう一つの楽しみは、予約が必要だが、精進料理。肉類を一切使わない料理は、見た目も美しく身体にもよい。
東京からなら、直行の夜行バスもおすすめ。ただし、こちらは体力に自信のある方に限る。
そうだ、善光寺詣りも、定額給付金の使い道の一つかも……
税つかふことを忘れず桃の花 季 己
「牛にひかれて善光寺詣り」でおなじみの国宝・善光寺の創建は、飛鳥時代の皇極天皇元年(642)という。
推古天皇朝に草堂を営んで、三国伝来の阿弥陀如来像を本尊とし、642年に、現在の地に堂宇を造営したと伝えられている。中世以後、盛んに尊信された。現在の本堂は、宝永四年(1707)の再建という。
現在は、天台宗の大勧進と浄土宗の大本願とによって管理される単立宗教法人である。
宗派や男女の性別に関係なく、お参りしたすべての人を極楽浄土へ導いてくれることから、「一生に一度は善光寺詣り」といわれ、全国から参拝客が訪れている。
前回、平成15年の御開帳は、期間中628万人の人々で賑わった。
善光寺の御本尊・三国伝来の阿弥陀如来は、いっさい見ることが許されない絶対秘仏で、その「お身代わり」が、前立本尊である。ふだんは宝庫に安置されているが、丑と未にあたる年だけ、本堂に遷され、一般の参拝者がお参りできる。これが「御開帳」だ。
御開帳のシンボルといえば、本堂前の大回向柱。地元の松代町から奉納された高さ10メートルの杉柱には、白い布が結ばれ、これに五色の糸と金の糸とをつないだ「善の綱」と呼ばれる一連の紐が、本堂に鎮座する前立本尊の阿弥陀如来の右手に結ばれている。
この大回向柱に触れることで、前立本尊と握手したことになり、ご利益があるといわれ、柱の周りは参拝者で大賑わいになる。
御開帳行事で最も盛大な儀式が、4月25日(土)、5月9日(土)の「中日庭儀大法要」である。鮮やかな衣装をまとった僧侶やお稚児さんなど、総勢約800名の行列が、本堂に向かって練り歩く光景は、まさに荘厳そのものである。極楽浄土さながらの演出で、御開帳のハイライトを盛り上げる。
御開帳中に毎日行なわれる「御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)」も、ありがたい儀式の一つだ。こちらは、御本尊のご分身ともいわれる宝印を頭に押していただくことで、極楽往生が約束されると言われている。
二ヶ月間にわたってさまざま行事が行なわれる善光寺御開帳。できれば、宿坊に泊まることをおすすめする。(しかし、もう予約で一杯かもしれない)
善光寺には現在、39の宿坊が境内に建ち並んでいる。各宿坊ごとに住職がおり、参拝者に善光寺詣りの世話をしてくださる。
宿坊に泊まる最大の魅力は、住職や宿坊専属の公認案内人による早朝の法要「お朝事」や「お数珠頂戴」などへの案内だ。
善光寺詣りの真髄は、日の出とともに本堂で行なわれるお朝事を参拝することと、お数珠頂戴を受けることである。宿泊者以外の参拝者も参列できるが、宿坊からの方がより充実した参拝が体験できる。
もう一つの楽しみは、予約が必要だが、精進料理。肉類を一切使わない料理は、見た目も美しく身体にもよい。
東京からなら、直行の夜行バスもおすすめ。ただし、こちらは体力に自信のある方に限る。
そうだ、善光寺詣りも、定額給付金の使い道の一つかも……
税つかふことを忘れず桃の花 季 己