こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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断りたくないのだけれど・・

2012-09-04 22:43:05 | 訪問看護、緩和ケア
今月から一人産休に入り、かわりに新人さんが一人入り、そろそろ独り立ちをしています。
今朝は、新人さんにとって初めてのお看取りがあり、ベテランスタッフと二人で死後の処置をしてきました。
亡くなったおばあちゃんとも、最後まで頑張って介護をした娘さんとも、しっかりお別れをしてきたようです。
先輩ナースは、介護者の娘さんとしっかり抱き合った新人ナースを温かく見守りました。

とはいえ、一軒一軒毎日緊張して訪問している新人さん。

まだ、誰でも受け持てるわけではないのです。
フォローしながら、ゆっくり素敵な訪問看護師さんになってもらわなくてはなりません。

そんな事情もあり、あまりキャパがない状態ですが、このところ新患さんのご依頼が続き、かなり満杯になってきました。

とにかく入れ替えが多くて、担当を決めるのも一苦労です。

でも・・。断りたくないのです。

せっかくうちのステーションを選んでもらっているのに、断るのはすごく嫌です。

何とか隙間を見つけつつ、スタッフにも協力してもらっていますが、あまり多いと緊急当番になったとき、患者さんの把握も大変になります。

一度患者さんを何件か断ると、今度は「あそこは、どうせ忙しくて受けてもらえない。」という噂が立って、今度はしばらくご依頼がなくなってしまったこともあります。

とはいえ、あまりキャパを超えて無理をして、何かあっては「ごめんなさい」ではすみません。

ここが調整の難しいところです。

昨日、めぐみ在宅のMSWも言っていましたが、最近は老衰状態でのお看取り希望が増えています。

一時期、お看取りと言えば末期がんの患者さんが主流でしたが、最近は昔のように老衰の方が増えてきているのです。

病院の受け入れの問題もあるとは思いますが、たぶんにメディアの力も大きいように思います。

テレビでも、ずいぶんと在宅での看取りを特集したりしています。

インターネットでも、検索すればたくさん出てきますから、そういうシステムがあるということを、ご本人は知らなくても、まわりから教えてもらったり、病院で勧められたりで、慢性期の患者さんや老衰の患者さんが、在宅にどんどん戻っているのではないでしょうか。

この前も書きましたが、2030年には今の7倍の在宅見取りが予想されているわけです。
現状、うちのような中規模から大規模ステーションで、24時間をやっていて、看取りも年間数十名行っているところと、24時間体制そのものをやっていないところとでは、看取れる患者数に大きな差がありますから、どこのステーションでも安心してお看取りができるような底上げをしていかないと、結局キャパを大きく超えてしまいます。

聞いた話では、見取りをヘルパーさんの利用だけで行っているケースがあるそうで、老衰とはいえ緩和や排泄のケア、予後予測を踏まえた心のケアなどは、どのようにしているのか、他人事ながら心配になります。

そんなことを考えると、なにかのご縁で依頼される訪問看護。
可能な限り、お受けしたいと思います。

映画「BRAVE HEARTS 海猿」

2012-09-02 22:34:57 | 読書、漫画、TVなど
やっと、やっと映画「BRAVE HEARTS 海猿」を見に行けました。
海猿の大ファンである娘とのスケジュールが合わず、結局一人で行ってきました。

9月2日までの期間限定で、架空の「海猿16話の予告編」(3分間のパロディ)をやると、伊藤英明が言っていたので、それもどうしても見たかったので一人で行くことにしました。

そして、そして、やっぱり凄いですよ~。
格好良すぎます。仙崎大輔!!

もう、しょっぱなからクラクラです。
仙崎大輔の一家が、横浜のみなと未来のちかくの社宅?の設定で、見慣れた夜景のなかで、仙崎大輔一家が息づいているような気がして、横浜市民としてはそれも嬉しかったですね。

でもなにより、仙崎大輔やその仲間たちの諦めない気持ちと、その屈強な肉体を駆使しての救助シーンは、もう垂涎ものです。

ジャンボジェットの機長と仙崎の会話もしびれましたし、着水シーンでは映画館の椅子の肘かけにしがみついていました。(^_^;)

そして吉岡君。絶対死なないって分かっていても、ハラハラしましたよ~。

海猿ですからね、海中のシーンは外せないですよ。
危険な救助を諦めずに遂行しようとする仙崎と、それを助け様とする仲間。
いつもながら、仲間たちが一斉にボンベを担ぎ、船から次々とエントリーする様は、本当に鳥肌が立ちます。
かっこいいですわー。
仙崎大輔だけじゃなくて、出演者全員がかっこいいんです。

こういう映画を見ると、生きる勇気がわいてきます。
どんな困難にも諦めない気持ちがあれば、きっと未来は見えるんだ、本当に思ってしまいます。

とにかくすっきり、爽快な映画ですよー。
涙と鳥肌と感動をありがとう!!。って感じです。
まだ見ていない方、ぜひご覧ください。

『3丁目の夕日』シリーズも、見た後幸せになれますが、これは爽快になれる映画です。

ちなみに、3分間のパロディは、エンディングテーマが終わってから始まったので、知らないで帰っちゃった人も結構いました。
みんな「なに?なに?」って感じでした。

ひげを生やして、司令官になった50代の仙崎と吉岡が、特急隊の隊長になった服部に訳の分からない指令を出しているというものです。
救助されているのが、どういうわけかフジテレビの笠井アナで、ちょっといらなかったかも・・というものでした。(^_^;)



こんな私も、昔はダイビングをやっていたので、体感として海の底のイメージは分かりますし、あの海底から見上げた太陽と、ダイバーのシルエットをみると、ちょっと息苦しくもなったりします。
耳抜きをしながら聞こえる海中のエアの音も、海面に顔を出してマスクをとった時の風の感じも、荒れた波間で身動きが取れない感覚も、今となっては遠い記憶です。

今でも、時々ふっと真夏の真っ青な空と、ラグーンを思い出します。
なんだか、随分と遠くまで来ちゃったなぁ・・。



戻りたいけど、戻れない。

2012-09-01 22:51:52 | 訪問看護、緩和ケア
ずっと、病院に通院して治療していても、入退院を繰り返していても、通院が厳しくなれば、どこかで施設や療養型の病院、それも嫌なら在宅を選ばざる得なくなります。

大きな病院であればあるほど、在院日数を減らすことに躍起になっていますし、急性期の患者さんがどんどん運ばれてきますから、慢性期の患者さんはいつの間にか押し出されてしまいます。

でも、患者さんは長年信頼して診ていただいた病院と離れるのはすごく不安だし、いったんは離れても、何かあればまた診てほしいと思うのは当たり前です。

でも・・・これがなかなか難しくなっているのが現状です。

多くは、在宅で往診医が診るようになりますが、病状に変化があった時、入院が必要になったとき、往診医からもと診ていた病院にお願いしても「ベットが開いていないので入院はできません。」と言うことがよくあるのです。

だからと言って、一概に病院を責めるわけにはいきませんよね。
急性期の患者さんがどんどん入れば、物理的に満床になるわけで、空きがないところに無理やり入れろと言っても、それは難しい話です。

なので、実際は往診医がつこうが、外来に通院しようが、ベットが開いているかどうかは、くじ引きみたいなものなのでしょう。

「ずっとかかっていたのに、よそに回された。」「病院に戻りたいけれど、戻れない。」
そんなことがしばしば起きてくるわけです。

ただ、これも病院のシステムや医師の考え方で随分と変わってくるようで、同じ病院内でも科によって全然対応が違ってきたりします。

逆に、「具合が悪くなったらすぐに病院に戻ってきてください!在宅では無理だから、最後までここでみます。」と在宅看取りご希望のご家族に繰り返す、有難迷惑のような病院もありますから、この体制の違いは私たちにはよくわかりません。


ただ、このことで一番困るのは患者さんなわけで、患者さんがアッチコチふり回されるのは、本当にどうにかしてほしいですね。

これからの動向としても、在宅療養に移行する人はどんどん増えていくようです。

末期がんの患者さんだけでなく、ほぼすべての病気の患者さんが、在宅で療養するわけですから、入院が必要なとき、希望された時の受け入れ先も整備することが、これから必要なのだと思います。


ちなみに、現在の在宅死亡者数は17.2万人で、うち訪問看護ステーションでの在宅看取りは2.5万人、つまり訪問看護ステーション自体もあと7倍必要ということになります。

これが2030年には約170万人となり、施設系が整備されても在宅死亡者数は26万人と、現在の1.5倍になると予測されています。

この人たちを含め、在宅療養をしているすべての人が、必要なときに必要な場所で、必要な治療を受けれられるような地域を作らなければ、日本の医療に未来はないような気がします。