こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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緩和ケア 支えることの難しさ。

2009-08-31 23:07:52 | 訪問看護、緩和ケア
一言に、患者さんの支えになるとか、傾聴するとか言うけれど、じゃあ実際どうするんだと聞かれたら、答えられる人は、すごく少ないと思います。

いくら対話ケアを勉強しても、実際の会話になれば、反覆なんてどっかに飛んで行っちゃたりして、的外れな言葉がでちゃったり、自分の期待する言葉の誘導になっちゃったりして、結局は思いの半分も受け止められないし、伝わらない・・

そんなジレンマが、いつもついて回ります。


患者さんのお母様からの電話がありました。

病気の娘とかかわることの苦しさ、切なさ、どうしようもない不安、なすすべもなく、見ていることの恐怖・・・
苦しんでいる家族に、向き合えない自分のふがいなさ、それでも逃避したくなる弱い心。

いろんな思いを、たくさん話してくれました。

答えることの、言葉一つ一つを考えて、嘘であったえはいけないと、ただの慰めであってはいけないと、何か力にならないかと、選んだつもりの会話でした。

でも、受話器を置いたあと、忘れないように会話記録として、だいたいを記録していくうちに、やっぱりちゃんとわかっていないことにきずかされます。

後で、小澤先生に報告のため、会話記録を持参。

私から先に行ってはいけない言葉「辛いね、苦しいね」
これは、相手が言ったら、初めてそれを受けて言う言葉。
改めて、指摘されちゃいました。とほほ・・・

先導するような言葉は、言わないこと。
基本ですよね。何年やっているんだか・・・

でも、でも、どんない苦しいだろうかと、辛いだろうかと思ってしまいます。
それがつい口をついてしまいます。
感情移入が激しい私のいいところでもあり、欠点でもあります。


でも、私は私なので、ある程度は私なりでもいいのかな、とも思ったりして・・

だってこんな私に、苦しい胸の内を電話して来てくれるんだから。

でも、会話記録を書くことで、担当看護師も先生も、一緒に何が解決すべき問題なのかがはっきりしてきます。

どんなふうに、誰の負担を軽減するか。
どうしたら、本人の希望がかなうのか。
家族の思いは、本人の思いはどこにあるのか・・

私は、相手にはなりえない。
でも、わかりたいと思うし、わかってほしいとも思う。

難しいですよね。
誰かの力になろうなんて、おこがましい話なのかもしれないけれど、それでもいないよりは、いたほうがいい人でありたいと思います。


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2 コメント

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もう、なってますよ。 (いつも)
2009-09-03 09:41:37
ちゃんと、患者さんや家族の方の支えになってますよ
私は家族側の立場ですが、辛い状況や不安な事を誰かに話して「わかるよ~」って共感してもらえただけでも、凄く安心して嬉しくなって、
明日も頑張ろうって思えるんです
どうしたら1番いいかってか一緒に考えててくれる事が患者本人にとっても心強いと思います。
色んな気持ちを受け止めてくれる人が身近にいる事は、家族にとっても大きな支えになっていることでしょう
私だったら、是非、母をこちらにお願いしたいって思いますもの
そっと、応援しています
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心強いコメントありがとう! (こぶた部屋の住人)
2009-09-03 19:21:22
実際に患者さんや、そのご家族からの言葉かけが一番うれしいです。
逆ですが・・・でも、実際支えようとする人が、一番支えを必要としているのも事実なんです。(患者さんのご家族を含めて)

結局支えあって、支えて、支えあって、支える・・・の輪ですね!
これからも、応援してくださいね。
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