こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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「はやとうり」の侵略

2008-11-02 23:56:24 | 草、花、収穫

我が家の2階のベランダから撮った写真です。

反対方面の写真です。
緑色の絨毯は、はやと瓜がうちの裏庭の物置2つの、屋根の上を完全に覆っているところです。
恐ろしいほどの繁殖力で、毎年我が家の裏庭を占領しています。
去年は裏のシオン教会のサルスベリを枯らしそうになったので、これでも1株減らして植えています。
放っておくと、ベランダの物干しも占領されてしまうので、屋根のほうに誘導していますが、その蔓がじりじりと迫ってくるようで、結構怖いものがあります。
これが「はやと瓜」です。緑と白があります。

皮をむくとベタベタ、キシキシするので、水の中でむくといいみたいです。
料理方法は多種多様。生のままスライスして、朝漬けの素やダイショーのきゅうりのたたきの素で食べてもおいしいし、肉といためたり、煮たりしてもおいしいです。スイトンに入れたらめっちゃおいしかったです。
でも、毎年80個くらい取れるので、さすがに飽きてしまうため、あちこち配っています。はやと瓜を知らない人が多かったのですが、今では結構普及しています。
これから、地球温暖化が進んで食糧難になるかもしれないので、自給自足の食料にいかがでしょうか??

「おくりびと」と「エンゼルケア」

2008-11-02 02:10:57 | 訪問看護、緩和ケア
「おくりび」という映画が話題になっています。
まだ映画は見ていないのですが、本は読みました。
亡くなった方の尊厳を守り、苦しかった闘病生活など、苦しみの気配を清めるように厳粛に、旅立ちの身支度をしていく・・神聖な儀式として。
納棺師という職業があることを、私は知りませんでした。

長い闘病生活の末に、延命治療を拒否したとたん、急速に医師たちの足が遠のき、死を待つだけだった母の病室。
わずか半日、私が家に戻った隙に逝ってしまった母は、病院に駆けつけた時には、すでの死後の処置は終わっていました。
家につれて帰ってから、そんな母の病院での生活を拭い去りたくて、私を育ててくれた、愛する母の姿に戻したくて、介護福祉士をしている姪と一緒に、母のお気に入りの着物を着せました。
その時も、納棺師と言う人はいなかったと思います。
葬儀屋さんの指示で、みんなで棺に入れたと思います。
それでも、棺のふたを閉められる時の悲しみは、どんな言葉にも変えられないものでした。

今、私の訪問看護ステーションでは、年間50人前後の看取りをしています。
そのなかで、90%以上のご家族から、私たちの手によるエンゼルケア(死後の処置)を依頼していただいています。
「知らない人にされるより、お世話になった看護師さんと一緒にやりたい」と言ってくださる方が多いです。
病院で亡くなった方は、病院でされてきますが、在宅でなくなった方は、葬儀屋さんで湯灌などしていただくか、訪問看護師がさせて頂くかどちらかになります。
身体の中の物をなるべく出して、体液が後から出てこないように処置をするのです。いままでは、割り箸で綿を詰めていました。
でも、これはやっているほうもかなり抵抗があります。
やっと苦痛から開放されたのに、何もこんなことを・・・と思うのはみな同じです。でも、やらないわけにはいきませんし・・

そのためこの部分は、看護師がやって、その間に旅立ちの衣装を用意していただくようにしています。
衣装は、何でもいいのです。
スーツ姿の似合うご主人であったり、ピンクのドレスのおばあちゃんであったり、エプロンをつけたお母さんであったり、訪問着の美しい奥様であったり・・
その方らしい、旅立ちのお姿を、一緒に支度します。
孫や、ひ孫までそろって、腕を二拭いたり、靴下をはかせたり。
「どうもありがとう」「ご苦労様」「眠っているみたいね」そんな言葉をかけながら、髪洗ったり、髭をそったり・・・
そんなお別れの儀式をしていますが、やはり綿を割り箸で詰めるのは、私たちもすごく抵抗があったのです。

ところが、最近病院ではゼリーを詰めるようになったとききました。
高分子吸収体のゼリーをピストンでカテーテルをつけて注入するだけで、すばやく不快なく、きれいに処置ができるとの事でした。
さっそく、いろいろ調べて検討した結果、スタッフも割り箸はすごく嫌だったという意見で、理事長にかけあいOKをもらうことができました。
死後の処置は、私たちにとっても、大切な患者さんとのお別れの儀式です。
そこに到るまで、患者さんからたくさんの事を学びます。
その敬意を表し、穏やかでいちばん元気だったころの姿に戻してあげたいと思っています。
来週には、説明会を開いてもらう予定です。
私たちなりに、納棺師に負けない位の、お別れの儀式ができるよう頑張りたいなとおもっています。