こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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訪問看護師の腕の見せ所?!

2008-11-22 01:38:23 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護師としてのプライドにかけて、腕の見せ所と言ったら、やっぱり「褥瘡」は、はずせませんよね。
病院に勤務していた頃は、あまり意識していなかったような・・
(じょくそう:一般的に床ずれ。圧迫やズレ、汚れや、低栄養などの悪条件がそろうと、あっという間に、皮膚が崩れてきます)
もちろん「褥瘡」は、「看護師の恥」と教わった時代ですが、今の管理方法とはかなり違った概念で処置していました。
医療では良くある事ですが、昔の当たり前は、今の禁忌だったりして、「褥瘡」についての考え方も、だいぶ変わりました。
エアマットだって、格段の進歩です。介護保険で安く借りれるし。
一番の違いは、清潔の保持で、昔は傷があるとお風呂は入れさせてもらえなかったですよね。でも、今はなるべく入浴を勧めます。
お尻に、骨が見えるほど大きな穴が開いていても、ノープロブレムです。
訪問入浴やら、足浴やら、局所的には、がんがん洗浄します。
石鹸泡立てて創の周りをきれいに洗って、お湯でどんどん流します。
あ~。なんてきれいな創。とか思いながら・・・
それから、消毒はしません。かえって肉芽の形成を阻害するので。
なので、お年よりはびっくりします。下手をすると、お医者さんまでが、入浴禁止とか言っている場合もあります。(高齢の先生に、たまーにいます)
あと、ドーナツ枕。
昔は、仙骨部の褥瘡に、穴の開いたドーナツ型の枕を入れてましたよね。
かかとの下にも小さなドーナツ入れたりして。
あれは、禁です。ドーナツのところでうっ血して、円の中心が虚血しやすくなり、かえって悪化することがありますので・・
どうしても入れたいのなら、時間で抜いたり位置を変えたりが必要です。
諸説いろいろありますが、在宅の場合、ラップ療法はかなり効果的です。
(これは、鳥谷部先生と言う方が長年研究された、サランラップなどを利用して、創をウエットに保ちつつ、摩擦をさけ、自分自身の治癒力を利用するというもので、DVDや本 などを参考に取り入れています。)
水切り用のポリ袋に、サルバの紙おむつを切って入れたものを、ガーゼの代わりに使っていきます。
これの、最大の利点は、誰でもできることです。ヘルパーさんは、ガーゼ交換と言うと絶対にやってくれません。
で、おむつ交換として、お願い出来るのです。(だって、サルバはオムツですから。)おむつ交換のとき、きれいにお尻と一緒に流してもらって、おむつのように、パットも交換してもらえばいいんですから。
もちろん、理解してくださる皮膚科の往診医がいるので、なおさらやりやすいのですが、かなり効果を挙げています。
これで治った後の皮膚は、以前にもまして、ツルッツルになるので、ついつい「きれいになったねー」とかいいながら撫でさすってしまいます。
そんな私たちですが、久しぶりに大きな褥創を作って退院になった患者さんが来たため、腕を鳴らしている今日この頃です。