先日、臨床実習でレポートを作成することの意義をお話ししましたが、臨床実習指導者がレポートで把握するポイントを明確にしているかが大切である。
私は、レポート指導する際のポイントは以下の点であると考えている。
1 問診のなかで、ADL全体を把握できているか?
主訴が「歩くときにふらふらする」なので、歩行が問題である という学生に、他のADLでの問題はないの? あなたは、「トイレ動作での立ち上がりも不安定である」とレポートに書いているではないの?? というと・・・でも、主訴が歩行なので、歩行動作を問題にします。
という学生がときにいます。 ADL全体が見れていないのですね??
2 検査項目が妥当であるか、その結果と問題点の妥当性があるか?
検査結果で、正常域ではないが、問題点にはあがっていない場合がある。問題であるとおもって検査したわけですので、その結果に忠実に解釈することが大切である。
3 問題点の解釈が解剖学、運動学、生理学の用語を用いて解釈できているか?
学生は様々な参考文献を用いて自分の考えを作っていくことが大切ですが、そのなかで基礎医学の知識を用いて解釈できているかが大切になりますね。
学生は、片麻痺患者さんの評価で、「近位部を改善しないと遠位部が良くならない」という論文を引用して、「この論文で書いているように、麻痺側肩関節の問題ではなくて、体幹の問題が重要です」とまとめてきます。
私が、「それであれば、すべての片麻痺患者さんの問題点は、体幹機能の異常になるでしょ??
ほんと?? もっと運動学の用語を用いて解釈しなさい。」と指導します。
このような記述が当たり前のようになっているので、いけないのですが・・・・
4 文章のチェックは最低限にする。
レポートの文章チェックは、誤字、脱字、接続語の使用間違い、のように最低限にすることです。日本語は難しく、私の論文の文章も私より日本語が上手な部下に読んでもらいます。
多くの臨床実習指導者の日本語能力は決して完璧であるとは言えません。
私は、臨床実習指導者が学会発表の抄録で書いた文章を何度も添削した経験が何度もあります。一生懸命に、文法から指摘してくれる方もいますが、そんなに日本語が上手でない指導者が学生の文章を修正しすぎると「ぐちゃぐちゃ」になります。その点を気をつける必要があります。
しかし、レポートを書いてもらうことは、上記1~3を確認する点で重要になります。
でも、事前に、養成校の介入が必須ですが・・・・
では・・・今、私のカバンには、40ほどのレポートがあります。必死に点検です。
頑張りますよ。