すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

悪化するアフガニスタン情勢と「明るい」ニュース

2013-06-26 10:09:39 | Weblog
世界中で民衆の怒りが爆発。現代メディア三種の神器:金とSEXとスポーツしか話題がないメディアで、トルコとブラジルのデモはそうしたメディアというか、世界を動かしている政治というか経済というか何とも表現しようのない方向性に水をかけた。その一方で、驚くべきことだが、悪化するシリア情勢やアフガニスタン情勢、いまにも崩れようとする東南アジアの安定...なんてものはクラウドアウトしてしまってまったく報道されなくなった。

どんどん悪化するアフガニスタン情勢だが、不思議なことに、現実が暗くなればなるほど、「明るい」ニュース!今日はオバマ大統領とカルザイ大統領との間でタリバンとの和平交渉を進めることに合意が成立したという。先日にはタリバンがカタールに和平促進のための新事務所を開設して、アメリカと和平交渉に入ったとの「明るい」ニュース。
何のことはない。アメリカをはじめとする外国勢力はしょせんアフガニスタンの点と線を支配しているだけで、山岳地域ではタリバンの支配そして村落ではその浸透をゆるしている。だからこそ、無人機による二次被害を恐れぬ無差別爆撃を繰り返している。それよりも、財政的にアメリカはもう戦争を続けられる状態にない。一刻も早くアフガニスタンの状況を投げ捨てて撤兵せざるを得ないのだ。「アメリカ兵の役割は終わり、あとはアメリカが十分に育成したアフガニスタンの治安維持部隊に引き継ぐ」なんてニュース番組が多くみられるが、これも同じ伏線だ。
結局、このオバマーカルザイ会談は、要するに、オバマがカルザイに、「もうアフガニスタンの面倒は見れない、あとは自分でやれ、アメリカ兵撤兵を安全に行うためにタリバンとも交渉する、お前も今後の身の振り方を考えろ」という三下り半を電話でつきつけたという恐るべきニュースなのだ。つくづくこういう国の大統領とは悲しいものだと思う。もっとも、これは遠く離れた国のことでも、ひとごとでもないが...
何か「明るい」ニュースは全部疑ってみる必要がありそうだ。

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