すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ダストボウル:オクラホマの砂嵐は何を生みだすか?

2014-06-25 16:29:25 | Weblog
イギリスのBBCとアメリカのABCやCNNとをモニターしていると、いかにグローバルニュースとはいえ、ローカル要素が強くでて参考になる。しかし、その一方で英米の差を感じない同じニュースがながれていることがある。イラクのISISの侵攻がその例だ。連日のごとくISIS(ISIL)の脅威やその背景分析などが流され続けている。が、今日は英米で流されたオクラホマのダストボウルのシーンに驚愕。同じ映像を見たことがある。それが80年前のこの写真だ。家の格好や人々のきている服はちがうけど、まるでデジャヴの世界だ。
世界大恐慌の後遺症が続く中、アメリカ中西部で1930年代、ダストボウルと呼ばれた乾燥した台地の暴虐が吹き荒れた。砂嵐はオクラホマ農家の多くを破滅させ、多くは「乳と蜜の流れる」と宣伝されたカリフォルニアに難民となった。それがスタインベックの「怒りの葡萄」だ。400人の募集に押しかけた2万人は忽ちのうちに悲惨な状況に追い込まれる。ここに込められたのは、聖書の世界の再生だ。しかし、追われた農民は敵ではなく、当局によって攻撃される。アメリカのオキュパイ運動や、99%の怒りと同じセッティングがあった。
温暖化の影響だろうか、日本でも豪雨、昨日は三鷹市で季節外れの雹。しかし今、アメリカ各地はすさまじい豪雨と洪水だ。連日ニュースでその画面が流れている。まさにその一方で、ダストボウルが生まれている。豪雨すらほとんど乾燥台地を救えないという。太古からの化石水の蓄積が長年の大規模耕作でついに失われたとする分析もある。砂嵐は表土を突き飛ばし、農地として回復しない。それがアメリカの農業の現状であり、アメリカがTPPを押し出す背景だ。
アメリカの経済は30年代ついに回復しなかった。それを解決したのは、パールハーバーとアメリカの参戦だった。しかし、ここは30年前と違う。戦争は不況からの回復ではなく、不況の深刻化を招いている。


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