麻生政権の支持率長期低落傾向が定着するにしたがって、民主党の中のばらばら感や過激発言などが姿を消し、激しい意見対立がなくなったと思ったら、小沢代表が米軍基地再編に触れて、ひさしぶりに自民党側からブーイングの嵐が巻き起こった。話し自体は小沢さんが昔から言っている自主防衛論だが、与党側が麻生首相のオバマ政権との協力体制を宣伝していることへの反発があったのだろう。国際法上、外国の軍隊が駐留している国は主権を失った属国としての位置づけになるから、日本のように米軍基地が乱立しているような状況がおかしいことは明らかだ。その議論を封印し恒久的な存在のような印象を与えていたのが、冷戦構造と朝鮮戦争、ベトナム戦争と続いた共産主義勢力拡大の脅威だが、冷戦構造崩壊とともに、この問題を原点に戻って議論すべき時期に来ている。まあ、しかし、それを記者のぶら下がりのような場面で話せば、当然、言葉足らずで乱暴な議論になり、足元をすくわれたのだろう。これも小沢代表が持論のグランドデザインを説明すればよいのだが、必ずしもそうした議論が得意でもなく、また政局緊張の折から、あまりうかつに話を進めたくないだろうから、結果的に与党側の攻勢が目立つことになったのだろう。
ただ、問題はそうした自主防衛路線はある意味で軍拡をもたらす可能性があるわけだから、野党間にも意見調整が必要だ。いずれにせよ、景気対策が最大の争点である政局で、そのほかの争点が乱立するのはどうかなと思う。問題が問題だけに、本格的な論議になるか情勢を注視する必要がある。
ただ、問題はそうした自主防衛路線はある意味で軍拡をもたらす可能性があるわけだから、野党間にも意見調整が必要だ。いずれにせよ、景気対策が最大の争点である政局で、そのほかの争点が乱立するのはどうかなと思う。問題が問題だけに、本格的な論議になるか情勢を注視する必要がある。