すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

マレーシア機撃墜がエスカレートさせるウクライナ騒擾

2014-07-11 21:31:32 | Weblog
早朝からマレーシア航空機撃墜のニュース。実は目覚めての最初の映像はイスラエルのガザへの地上軍の侵攻のはずだった。寝ぼけ眼に飛び込んできたのは、なじみ深いマレーシア航空のシンボルマーク。一瞬、行方不明機発見のニュースかと誤解した。オランダのスキポール空港からクアラルンプール行きのMH17がウクライナ東部上空でミサイルで撃墜されたという。このタイプのニュースは日本のテレビを見ていても、時間の無駄。日本のテレビは娯楽芸能専門チャネルだ。
BBC,CNN,ABCいずれも地上の地獄絵を画面に乗せている。全てが焼け焦げて黒色の画面で、人間の四肢だけが真っ白で、息を呑む。画面にハイヒールを履いた女性の足が映っていた。おそらく機体は破壊されても大きなブロックで落下し、安全ベルトを着用していた人はそのままの状態で地上に激突したのだろう。
ミサイルを発射したのは誰か?それがこのウクライナ情勢の次の展開を決める。意図的に高高度を飛ぶ民間航空機を狙ったのか、政府・反政府勢力が激しく戦っている空間でのミサイルの誤射なのか、自動追尾の結果なのか、それとも、今後の展開を予想した高度なプロットなのか?ウクライナ、親ロシア勢力、ロシアの三者いずれにも責任者となる可能性がある。すでに指摘されている地対空ミサイルのブークだが、確かに本来は低中空域をカバーしている機動力のあるミサイルだけど、単純に飛ばせば高高度にも到達するだろし、「まさかこんな高高度まで地上戦争の影響は無いだろう」と甘く考えていた航空業界にも責任はある。
アメリカは早い時期から、ミサイルを特定し、親ロシアの反政府勢力にその責任を負わ、その背後にいるプーチンを牽制している。まさかウクライナ側に責任があるとは、たとえ事実がどうあろうが、西側は認めないだろう。イギリスやオーストラリアの犠牲が多数に上っていくところから、この問題は東西対立をさらにエスカレートさせる効果を生むことになる。
さて、その結果は日本にもおよぶことになるが、日本ではやはりこの事件を「航空機事故」のようなカテゴリーで報道しているようだ。
一番気になるのは、状況をさまざまな視点から分析し説明する専門家がいないことだ。事件を親ロシア勢力の責任にしたいアメリカでも、ニュースに登場する専門家は旧ソ連時代ウクライナが地対空ミサイル研究・開発の中心だったことを指摘していた。BBCでもコメンテーターはいずれも研究、実務のエキスパートで、その説明には納得させられるものが多い。日本はまたぞろ、自称軍事専門家や航空のエキスパートがでてコメントするのだろうか?世界で何が起こっても、それを国民に伝えられないもどかしさがある。
この問題は落ち着きかけたウクライナ情勢を再び巨大なリスクの塊に戻すことになる。事件の展開に一瞬も目を離すことができなくなった。

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