すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

天安門事件から20年!

2009-06-04 22:11:47 | Weblog
そうだ、その時はパリにいた。フランスはフランス革命200年祭で、夜空を振り返ればエッフェル塔には200の数字のイルミネーションが見えたころだ。
当時、冷戦構造崩壊直前で、また情報化によって現代社会そのものが大きな飛躍をとげる可能性があった。フォンテンブローにあるINSEADでレクチャーしながら、しきりにパリに出て、当時、革新思想家活動家だったA.ブレソンなんかと交流していた。あの事件の第一報は、後にアメリカの経済担当国務副長官になったS女史の紹介で、フランス外務省の幹部と会食しながら東欧の民主化などについて話していたのだが、地震被害と同じで第一報が入っても、これがそんな大事件だとはイマジネーションが湧かず、けっこう二人でゆっくり迂遠な話をしていた。「それでは俺は例の中国の事件のフォローがあるから...」と言って別れていらい、彼とはもうあっていないな。
この日にむしろ脅威を感じていたニュースはイランのホメイニ師の死亡だった。これによってイランが再び過激路線にのりだすのではとの恐怖感は大きかったはずだ...しかし、つぎからつぎへと入ってくる情報、日本に電話すれば、親しい中国人留学生からの「地方ではもっと死者がでていて、全土では10万人規模の死者になるぞ」という文革の悲劇を体験した彼のうわづった声がまだ耳に残っている。
あの事件の結果、中国政府はただひたすら国民の怒りを経済繁栄にむけるために、猛烈な経済自由化市場化に舵をきった。その結果、現在中国は世界最大の経済大国になりつつある。それは歴史の皮肉なのか、天安門広場の赤いしみとなった若者の献身の結果なのか?頭の方々から脳に流れ込んでくる昔の暗く重い記憶に、押しつぶされそうな心..
もう中国問題から離れてずいぶんになる。当時の関係者との音信ももう絶えた。しかし、今また心の中のどこかに「アジアの民主化をどうする」という声と、やはりやらねばという炎がめらめらと燃えているのを感じている。

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3 コメント

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皮肉な逆転 (黄昏)
2009-06-05 09:05:50
自動車会社まで国有化して社会主義化するアメリカと市場主義経済に驀進する社会主義国家中国。その両国の間で給仕のように右往左往する日本。
EUは「投票箱の結果で全てを決める」という価値観を共有しているが、日本の愚かな政治家は投票箱もない独裁国家に自分可愛さで媚びる為に「東アジア共同体」なんてアホな事を言ってる。
そんな中、不況の影響で中国産野菜の輸入が増えてるそうだ。農作物の生産過剰でにっちもさっちも行かなくなった結果、農民に減反をさせる目的でアメリカで始まった「戸別所得補償制度」と民主党が呼ぶ制度でこの流れを止められるのでしょうか?日本もまた市場経済を放棄しようとしている。
皮肉な逆転をもう1例。選挙制度の議論が始まって比例削減の話になると「比例を削減すると民主主義が制限される」なんて言ってるアホな政治家がいるが、単純小選挙区制のアメリカやイギリスより日本の方が民主国家だとでも言うのでしょうか?
彼らの脳内では「小選挙区比例代表並立制」なんてヘンテコな選挙制度やってる国のほうが民主主義の本家本元より民主主義国家みたいだ。それなら民主党の幹部が英国に民主主義のお勉強に行く必要もない。
そんな「無理が通って道理が引っ込む」みたいな変な事になってる日本。
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民主党は平和の党か? (yoshi)
2009-06-05 16:53:28
友愛とは言いながら

http://www.magazine9.jp/koramuri/090603/

こんな見解を取る人がネクスト大臣なのですか?

>>黄昏氏
市場も失敗します。
社会主義が悪く資本主義が良いというものでもありません。
ある程度の社会主義的政策は取り入れるべきだと思いますが。
結果としてどちらが国民の幸せに資するかというだけです。
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寄生虫のような投稿者へ (永久緑)
2009-06-05 17:55:04
毎日毎日ごくろうさま
あらゆる事象に対して冷笑的に否定発言を繰り返すのはなぜですか。

ブログ主の政治的立場と相反するご意見をお持ちであれば、ご自分でブログを立ち上げてはいかが。 それとも粘着的な書き込みで、自・公政権を存続させるための支援が目的だからでしょうか。 


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