すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

再び火が付き始めたTPP

2011-07-11 22:29:59 | Weblog
今日、ニュージーランドからTPP(環太平洋経済提携)の危険性を論じた「異常な契約」の著者であるジェーン・ケルシー教授が来日。明日からケルシー教授に同行して、宮城県の被災地そして北海道でのTPPを考える国民会議の集会に参加する。本来、ニュージーランドは本来TPPを立ち上げた4か国の一国であったが、オバマ政権がTPP参加(再参加)の意思表示をしたことにより、小国の経済協力体制が、にわかにアメリカの太平洋覇権の中心戦略に変質しまった。そこでオークランド大学法学部を中心に、TPPの危険性に対して警鐘がならされることになったもの。もっとも、最近のウイキリークスの暴露情報によれば、アメリカはこれによって日本と韓国を封じ込められる...?!...といって、ニュージーランドがここから離脱することをけん制しているらしい。
昨夜は代官山でネットジャーナリストの岩上さんのトーク集会に参加。はげしくTPP批判の論陣を張っている中野剛志さんも参加して、ななんと3時間近いディスカッションがありました。たとえ日本の命運がかかるとはいえ、必ずしも認知度の高くないこんな専門的なテーマに多くの若い方が部屋いっぱいに詰めかけていただいて感激。冒頭に岩上さんが、「私はこれで番組を降坂させられました」みたいな話をするので、びっくり。日本のマスコミもそういう状況になっているのかね。恐ろしい時代になったものだ...なんて第三者的なことを言っていてはいけない、わわわれ自身にも責任がある問題だ。
しかし、311の津波と原発事故の処理で消えたはずのTPPがまるでゾンビのように墓場から立ち上がってきて徘徊しはじめているのを肌で感じるようになった。実はケルシー教授の招へいは4月に予定していたのだが、あまりの被害にもはやTPP問題を議論する状況ではないからと7月まで先送りしたものだが、またまたTPP問題が立ち上がってくるとはね..運がいいというのか、それほど重要なテーマなのかということだろう。このTPP問題は、けっして当初、言われていたような「輸出促進vs因習的農業」というような単純でも、狭隘な問題でもない。今後のアジア太平洋地域をめぐるグローバル競争そして中国との覇権争いという日本が直面する最大のリスクであることが、次第に理解されるようになってきている。ひょっとすると、再生可能エネルギーへの転換とおなじくらい巨大で本質的な政治選択のテーマとなるかもしれない。ともかく明日から、被災地での皆さんの意見もよく聞いてこようと思う。

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