すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

小規模水力発電

2011-07-16 11:44:07 | Weblog
福島原発も幾多の試行錯誤を繰り返しながら、一応は冷温安定の方向が見えるようになってきた。また原発事故賠償スキーム法案も衆議院に提示され、原子力事故影響調査プロジェクトチームも当初予定された役割が一段落したように思える。今後は原子力発電の将来そのものを議論していかなければならない。しかしまあ、研究し調査すればするほど、「これほどまでにデタラメが何十年も許されてきたのか?!」と驚くほど、お粗末限りない原子力政策だった。これまでよく大事故にいたらなかったのだと猛暑の中でも背筋が寒くなる...
福島原発事故の唯一の功績といえば、これによって「安価な原子力」という巨大なウソが露呈し、再生可能エネルギーへの関心と期待そして現実の事業化への意欲がこれまでにない規模で高まったことだろう。
そもそも風の吹かない北ヨーロッパで風力発電、太陽の照らないドイツで太陽光発電などが成立するなら、年中風が吹き、早朝から日傘をさして外出するような日本で、再生可能エネルギーの発電が遅れをとること自体が不可思議で、要するにいくら技術があっても、原子力推進の阻害要素となるような発電方式はつぶして「原子力これっきゃない!」という世論を誘導してきたのだろう。
さまざまな再生可能エネルギーの中で、にわかに注目があつまっているのは1000kw以下のマイクロ水力発電などだ。考えてみれば、日本のようにどこを歩いてもコンスタントな小川や農業用水が流れている国はほとんどないので、日本がいかに小規模水力発電にむいた土地であるかわかる。これまでもこうした小規模水力による地産地消のエネルギー生産消費システムを訴えてきたが、各地でまた各企業で急激に関心が高まり、実現化へむけて動き出している。
先日もそうした勉強会が国会で開かれたが、講師のスライドに横浜市都筑区の小規模発電所とあるのにびっくり、さっそく見学に行った。要するに丹沢水系の水道水を貯水施設から分配する直前にショートカットして発電するのだが、350KWHもある。ヘルメットをかぶりマンホールを下ったところにある横置き水車からこれだけの電力が生み出されるのかと思うと感激。東電に売電するのだが、単価を聞いてまたびっくり、それならLNG発電と変わらないではないか!むろんこのような小規模発電では20万人の区民需要はまかなうことはできないが、緊急時の電力や住宅域と距離のある遊歩道照明には威力を発揮すると思う。もっとも、すでに東京都、川崎市でも横浜市でも、こうした上下水道活用の水力発電の価値には気付いており、つぎつぎと自前で建設する計画が進んでいるという。望むらくは、こうした地下でのプロセスだけでなく、公園などで子供たちが見ることができる場所で発電し、その発電メカニズムに関心を持たせるような形態にしてほしいものだ。

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