すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

液状化する中東北アフリカ情勢

2011-02-01 20:38:54 | Weblog
連日、チュニジアに端を発する民主化騒擾のフォローに追われている。チュニジアは中東・マグレブ地域の優等生で、これまで大きな暴動や反体制活動も少なかった。しかし、隣国アルジェリアにおけるイスラム過激派の台頭に対応すべくベンアリ政権も穏健路線から民族・過激派弾圧路線に切り替え、このことが社会に反体制のマグマを増加/蓄積させていた。
今日は政権に抗議して大使を辞任して帰国直前のヌルディーン・ハシュエット駐日(元)大使の話を聞く。逃亡したベンアリ政権にかわって、国民の期待を集めるチュニジア労働総同盟はなんと大使の父君が1946年に創設した組織だそうだ。大使からも日本からの物心両面での支援に期待するむねの発言があった。
しかし、なんと言っても最大のリスク要素はエジプト情勢だ。ナイル上流域のルクソールにはまだ日本人観光客がとりのこされ、外務省が必死に出国の手配をしている。民主化を要求する市民や学生ばかりでなく、現代世界の脅威となっているテロ組織アルカイダもそもそもエジプトの反体制民族集団やもとエジプト医師のアイマン・ザワヒリなどが中心になって組織拡大が行われたものだ。いまだ生存が信じられているザワヒリがこのような事態に無関心であるはずがない。現在、アメリカ軍の撤退とともに、戦いの大義がうすれたアラブ系のムジャヒディンはイラクやアフガニスタンから、一斉に出身国に戻りつつあると言われ、万一、アラブ社会の精神的支柱でもあるエジプトの政変は、サウジアラビアのような保守的な国家と同時に、国境を接するイスラエルやガザにも深刻な影響を与えることは必定。まさに中東世界は1960年代の独立期から半世紀後の今、大変動の時代を迎えようとしている。

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