すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

袋小路のアフガニスタン問題対応

2009-10-15 21:43:53 | Weblog
政府のほうは、今日、各省庁予算の取りまとめをしているのだが、逆に政策会議は一休み。ようやく自分の仕事に戻ってこれた。午後に外務省よりアフガニスタン・パキスタン情勢報告と岡田外相両国訪問の詳細を聞く。すでに配布された外務省報告以上の話はない。それよりも、両国情勢が刻一刻と悪化し、多くの訪問日程がキャンサルされたということで、今後、一歩踏み込んだ復興案や経済支援案にも暗雲が立ちこめて来ている。そりゃそうだ。パキスタンにいたってはラワルビンジの軍司令部が襲撃されたり、イスラマバードのマリオットやペシャワールのパールコンチネンタルなど、小生も定宿にしているホテルが軒並み大爆破された。
新聞では「元タリバン兵の職業訓練や就職支援」などのテーマなどが列記されているが、アフガニスタン政府側からも元タリバン兵の社会統合に否定的なコメントが出されている。DDR(武装解除・動員解除・社会統合)もその成功が宣伝されているが、小生は見ていないが、最近のBBCのスクープ映像で、放棄回収された武器をタリバン側に警察がわたしているというものがあるそうだ。オバマ大統領来日までにインド洋給油に代わる貢献策をアフガン国内で作り出したいのだろうが、ますます非現実的な状況になりつつある。夕刻にアフガン難民だったFさんが来訪。昨年訪問した時や今回選挙の実態などアフガン情勢を聞く。アフガニスタンの人々はアメリカやイギリスがいつタリバンと手を結んで裏切るのではという疑心暗鬼にとらわれているという。最近流れている映像ではタリバンの東南部拠点のヘルモンド州から米軍のヘリでクンドウスにタリバン兵士が夜間、一目を避けるように輸送されているという、信じられない話を聞いた。クンドウスはついこの間も米軍空爆で多数の民間人犠牲者を出したといわれているタリバンの影響地域のはずだ。こっちまでが混乱してくる。
Fさんと話していると、7年前のアフガニスタン難民認定申請の苦労がよみがえってきた。Fさんのハザラ族はタリバンの虐殺などによって国外流出したのだが、ダリ語を理解するものは少なく、拘留されている留置所では、タリバンの中核民族であるパシュトウン人による通訳を付けられて困ったことや、牛久や十条の拘留施設を何度も訪問したことなども走馬灯のように思い出す。
話しながらも、こりゃ前途多難だとつくづく思う。やはり適当な時期に、現地に入る必要があるかもしれない。