半農・半Xの生活

思いついたことを思いついた時に綴ります。

皇国の大罪

2014年12月21日 06時55分45秒 | 日記
先週、今週と政権が忖度してマスメデイアが取り上げない、映画を二本観た。
先週観たのは、以前にも書いたが「望郷の鐘」という、満蒙開拓団の悲劇の
映画だ。内容は、終戦の2ヶ月前にソ連と国境近くに国策で圧力を掛けられ
た村長らに、強引に入植させられた、僧侶であり、教師でもある山本慈紹氏
を主人公にした物語だ。山本氏は、残留孤児の帰国問題にも情熱を注いだ人
でもある。

 昨日観た映画は、「ジョン・ラーベ」という、南京大虐殺時に南京市内に
安全区を作り責任者として20万人の人々を虐殺から救った人の日記を基に
つくられた映画である。彼は、当時、シーメンスの南京工場の責任者として
働いていたが、止むに止まれず責任者になり、日本軍の蛮行を母国の総督で
あるヒットラーに訴えたが、帰国後ナチスから幽閉され、戦後は困窮の果て
に亡くなったが死語60年後に日記が見つかり映画化されたらしい。

どちらの映画にも共通なことは、富国強兵、脱亜入欧の東アジア蔑視の国策
による皇国日本の侵略戦争がもたらした悲劇であり、他国に対する蛮行以外
の何物でもない。

言えることは、この虐殺が行われた1937年以降、日本は何も変わってい
ないし、この時に戻そうとする、輩が権力者につき、それが現実化されそう
だということである。

やはり、天皇に戦争責任を取らせるべきだったし、それを有耶無耶にしたこ
とから、国民も自分たちの戦争被害ばかり声高に騒ぐあまり、他国にもたら
した罪を悔いることまなくここまで来てしまった。国民は被害者でもあるが
加害者でもあったことを肝に銘ずるべきだろう。


朝日新聞による記事による一連の騒動であたかも従軍慰安婦の問題そのもの
が無かったような、ムードづくりや、30万人の虐殺など物理的に無理だと
いうような物言いで、恰も虐殺がなかったような動きに国民は惑わされては
いけない。「望郷の鐘」の中にもに「殴った者は殴ったことを忘れるが殴ら
れた者は忘れない」という言葉があったが、まさにこのことに国民は気付く
べきだろう。最早、手遅れの感も否めないが・・・・

というのも、奇しくも今朝の朝刊には、内閣府が行った世論調査で、中国に
親しみを感じないといった回答が83%に達したということをみても、政権
がマスメデイアを使った中国脅威論のプロパガンダが功を奏し、戦前の蛮行
を陳謝するどころか益々、敵対心のみがクローズアップされるばかりである。