Narashino Geography 97 安倍国葬に反対する

安倍国葬に反対する

9月27日に安倍晋三氏の国葬が閣議決定されて多くの国民が反対し、賛成と反対とに分断されています。

国家に功績のあった「臣下」に対してなされる「国葬」。そもそも日本国憲法の下では許されないから、戦後「国葬令」という天皇の勅令が廃止され、その後「国葬法」も制定されなかった

ボクが「安倍国葬｣と聞いて考えたのは、日本国憲法の下で、どんな人物であろうと国葬にすることが許されるのだろうか？ということでした。敗戦前には「国葬令｣という勅令があり、明治以降、国家に功績のあった「臣下」を特別に選んで国葬としたようです。「国葬令｣は1947年に他の勅令とともに無効となりました。その後、「国葬法｣という法律が制定されなかったことを考える必要があるでしょう。

弱者に厳しい「アベノミクス」、「モリ・カケ・サクラ」、プーチンとの蜜月etc.
日本の「力」をそぎ、日本のためにならなかった安倍政治

そして、政治家としての安倍晋三氏の評価です。「アベノミクス」は強い者に優しく、弱い者に厳しい政策でした。株価は上昇しても、賃金は横ばいでした。「モリ・カケ・サクラ」の問題などもうやむやのまま解明されません。「外交の安倍」と言われても、日韓関係は最悪、「プーチンとは同じ夢を見る」と言ってましたが、ウクライナ侵略では何の働きもできませんでした。

「安倍政治」は霞ヶ関の活力を奪い、この国の持つ本来の｢力｣を削いできました。一言で言えば安倍政治は、日本のためにならない政治と言うことです。

「国連中心主義」から「自国中心主義」へ。国際主義から大きく外れ、日本の国際的評価を下落させた安倍政治

また、安倍政治の下で、日本の評価は国際的にも低下しました。この10年、日本政府は国際主義から大きく外れて行動するようになりました。国連から国際標準に反するといって、「勧告｣を受けても無視するようになりました。かつては教科書にも「日本は国連中心主義｣と記されていましたが、現在では自国中心主義で極めて視野の狭い態度に終始しています。

「法の支配」ではなく、「お友だち政治」と呼ばれる「人による支配」にしてしまった安倍政治。国葬まで「お友だち」同士で決めてしまった

また、安倍晋三氏の政治は「お友だち政治｣と呼ばれるような人による政治でした。国葬も閣議決定という人による支配に基づいています。「法治主義｣の源流は2400年ほど前の古代中国の法家(バオジャ)に由来します。「秦」で行われた商鞅(シャンヤン)の富国強兵政策は法による支配を徹底すれば、暗愚な君主が現れても、法による支配によって国力は増していくというものでした。秦は中国辺境の小国でしたが、孝公(シャオコン)と商鞅による国政改革で強国の一角を占めるようになり、その後の秦始皇の中国統一へとつながったのでした。

商鞅とは⇒中国戦国時代の秦国の政治家・将軍・法家・兵家。
姓は姫、氏は公孫。名は鞅。また、衛の公族系のために衛鞅ともいう。なお商鞅とは、後に秦の商・於に封じられたため商君鞅という意味の尊称である。法家思想を基に秦の国政改革を進め、後の秦の天下統一の礎を築いたが、性急な改革から自身は周囲の恨みを買い、逃亡・挙兵するも秦軍に攻められ戦死した。

安倍国葬は法治主義に反する｢人による支配｣で、これからの日本を心配せざるを得ません。

特に学校への弔意の強制が心配。無批判、思考停止は子どもたちの成長にマイナス

さらに、国葬によって国民に弔意が強制され、安倍氏への批判が封じられることも危惧されます。特に学校への弔慰の強制が心配です。文科省は「弔慰の強制は行わない｣と言っていますが、「反旗掲揚は弔意を強制するもではない｣と言い出しそうです。実際全国のいくつもの教育委員会が学校長に事務連絡として「庁舎での半旗掲揚をお知らせ」すると、安倍晋三氏の家族葬に合わせて半旗掲揚した学校がいくつもあります。学校でも「忖度｣が日常化して、命令・支持を行わなくても上意下達の意を汲む姿が常態化しています。

このような無批判な姿は子どもたちの成長にマイナスであることは言うまでもありません。文科省の現行学習指導要領でも「主体的に考える｣ことが強調されています。学校そのものが思考停止では物事を深く考える教育など期待できません。（近）

（編集部より）

国葬や統一教会の問題で政治家が言いのがればかりしている姿を子供たちはどう見ているのでしょうか？

「せやろがいおじさん」のこんなビデオがあります。

 

 

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