ボクは、高校教員をやっていた40年近くのほとんどの間、校内分掌で「教員相談」を担当していました。生徒の相談を受けることはあまりなく、多くは教員からの相談にのることが多いお仕事です。
DV相談
専門のカウンセラーではないということを肝に銘じて対応することが重要で、生徒の様子から、発達障害や統合失調症が疑われても、医師ではないので、診断名をつけることは許されません。ここを勘違いすると、大きな間違いを起こすことになってしまいます。ある意味、頼りなく心もとない立場で仕事をすることになるのが、悩ましいところです。先日、知り合いの洪美玉(ほんみお)さん(東京演劇アンサンブル)の一人芝居「橋」を観ました。30年以上前、モスクワでDV相談を始めた女性の話でした。
DVと「17歳の壁」
ボクの38年間の教員生活でDVの相談を受けたのは2回でした。一人は、再婚した父のパートナーに無理やり髪を切られるという事例で、すぐに教頭から、児童相談所に通報してもらいました。学校の児相への通報が義務付けられたころでした。高校生は「児童」に当たらず、児童相談所が担当するのは17歳までなので、高校生は場合によっては対応してもらえない場合があります。「17歳の壁」と呼んでいますが、「子ども」の定義がいろいろで、さまざまなサポート体制の網から漏れる子どもたちがいるのが現実です。現在、選挙権年齢が18歳に引き下げられ、18,19歳の飛行・犯罪についてどう扱うか議論になっています。政府は成人に準じた扱いにしたいようですが、少年院や家庭裁判所の担当者などからは、現在の制度は十分に機能しているので、18,19歳についても教育と厚生を主とした対応にすべきという意見が出ています。社会の寛容さが狭まる中、人をどう育てるのか大人の責任が問われているようです。
「暴力」以外でも、時間、空間、経済で支配するのがDV
さて、「DV」と言うと「家庭内暴力」という認知度が高いのですが、実は「暴力」以外でも、時間、空間、経済で支配する行為も「DV」です。暴力がなくても一方的にゆうことを聞かせる支配・被支配の関係を「DV」なのです。高校生(中学生でも)の中でも「デートDV」と呼ばれる関係がしばしばみられます。ひっきりなしにメールの返信を求めたり、自分以外の友人と行動したり、口をきくことを禁じたりすることなどがあります。DVでは、厳しさと、やしい対応を組み合わせて相手を巧みにコントロールします。暴力をふるった後に急に優しくしたり、「お前のことが好きだから…」などと声をかけたりします。こういう場合、DVの被害者に被害意識がない場合や、「共依存」と言って「自分がいないと相手がダメになる」という意識で関係が絶てない場合もよくあることです。
「デートDV」では、当事者にDVを認知させることに苦労することが多いようです。
習志野市の場合、千葉県中央児童相談所(043(253)4101)か、習志野市の子育て支援課子ども家庭総合支援係(047‐453‐7322、047‐453‐7463)が窓口になります。(近)
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