隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0331.散りしかたみに

2003年01月25日 | 歌舞伎ミステリー
散りしかたみに
読了日 2003/1/25
著 者 近藤史恵
出版社 角川書店
形 態 文庫
ページ数 235
発行日 2001/08/25
ISBN 4-04-358501-2

 

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この本もタイトルから、すぐに「ねむりねずみ」(313.参照)と同様のシリーズではないかと想像できた。今泉文吾探偵の梨園ミステリーである。
僕は特別に芝居好きでもなく、古典に詳しいわけでもないのに、こうしたタイトルに惹かれるのは何故だろう?

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歌舞伎の公演中、「十種香」が上演されている時に決まって一枚の花びらが舞い落ちてくる。気になって、瀬川菊花は弟子の小菊に「名探偵を連れておいで」と言う。
瀬川小菊は、歌舞伎大部屋の俳優で、今泉文吾とは大学時代の同級生である。そういった関係で、これまでにも梨園の事件を解決したことから、瀬川菊花も文吾を良く知っている。
さて、小菊と共に、この小さな謎を追うことになった今泉文吾が、調査を進めるうちに、歌舞伎界で二十年以上にわたって、隠されてきた悲しい真実が明らかになっていく・・・・。

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著者のこのシリーズ(といってもまだ2冊目だが・・)は、読む前から、期待で胸が躍る。確固たる世界が構築されているからだろう。僕は、好きな作品には、どっぷりと首まで浸かっているような感じで読むものだから、読後余韻が冷めると、ちょっとした空虚感に襲われる。

 


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