隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0126.大誘拐

2001年09月10日 | 冒険
大誘拐
読 了 日 2001/09/06
著  者 天藤真
出 版 社 角川書店
形  態 文庫
ページ数 455
発 行 日 1991/10/30
ISBN 4-04-146601-6

 

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の作品が北林谷栄、緒形拳氏等の主演、岡本喜八監督のメガホンで映画化されていたことは、なんとなく知って はいたが、当時(1991年)は映画を見ようとも、本を読もうとも思わなかった。
もっとも本を読もうとも思わなかったというのは、第一に作者を知らなかったということもある。ところがよくよく考えてみた ら、その昔僕は宝石社から出ていた「死の内幕」という単行本を買っていたことを思い出した。
その本に限らず、僕は読み終わってない本をそのまま散逸してしまったことが随分あって、もったいないことをしていたものだ と、後悔の念しきりである。

ちょっと横道にそれるが、監督の岡本喜八氏については、初めて見た「暗黒街の顔役」でその作風のダイナミックさと、内容にか かわらない明るさに驚いた。アメリカナイズされたというか、モダンな先進的な感じがして、その後「独立愚連隊」や暗黒街シ リーズの「暗黒街の対決」、「顔役暁に死す」等を見て益々ファンになった。
その岡本監督の作品を見ようとしなかったのは、映画が評判になっていることを知ったからである。
生来の食わず嫌いの所為だ。最近、文春の「ミステリーベスト10」の紹介記事を見て、ようやく原作を読む気になった。そして、 著者の略歴で千葉敬愛短大の教授をしていたことを知って、驚いた。一時期僕は、その近くの会社に勤務していたことがあり、 仕事の関係で、大学にも顔を出していたこともあったのだ。知らないというのは困ったものだ。
さて、この本を読み終わって大きなカタルシスを覚える。一つ間違うとドタバタ喜劇にもなりかねない話が、壮大なスケールで 描かれ、誘拐事件の被害者が主人公というストーリーを見事なリアル感で展開する。

 

 

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