隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1921.黒猫のいない夜のディストピア

2019年08月11日 | 本格
黒猫のいない夜のディストピア
読 了 日 2019/07/14
著  者 森晶麿
出 版 社 早川書房
形  態 単行本
ページ数 314
発 行 日 2018/12/15
ISBN 978-4-15-209823-8

 

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烈な暑さの続く中、甲子園では高校球児たちのこちらも熱い戦いが続いている。千葉県からは習志野高校が代表として第1戦を勝ち抜いている。僕はプロ野球にはさほどの関心はないが、この夏の高校野球には、ドラマを感じて故郷代表以外にも、その戦いぶりに心を奪われている。
スポーツ観戦には何故気持ちを高める要素が、あるのだろうと思いながらも、筋書きのないドラマに酔いしれる。
AIG全英女子オープンを制した、渋野日向子プロの凱旋試合でもある、LPGA北海道meijiカップも、本日最終日を迎えて、その結果が期待される。
僕の贔屓は鈴木愛選手だが、今年のLPGAは、黄金世代と言われる若い選手たちの活躍が目覚ましく、特に渋野選手の急成長ぶりが注目される。
昨年プロテスト合格という、短いキャリアの中、5月のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで初優勝、7月の資生堂 アネッサ レディスオープンで、早くも2勝目を挙げるという快挙を成し遂げての、全英女子オープンへの参加だった。
42年ぶり樋口久子プロに続く2人目のワールドメジャー制覇は、海外の報道陣から“スマイリング・シンデレラ”と呼ばれて、試合中のその実力と笑顔がともに賞賛された。

 

 

木更津市立図書館で借りていた『平凡な革命家の食卓』を返しに行って、続けて樋口有介氏の作品を読もうと思い、『少女の時間』を借りようと書棚を見たが見当たらない。パソコンで検索すると、「カウンターでお聞きください」というメッセージだ。
係員に行って書庫から出してもらい、森晶麿氏のコーナーにあった本書を一緒に借りてきた。
著者の森晶麿氏は、ご存じのように早川書房が主宰する、アガサ・クリスティ賞の第1回の受賞者で、その受賞作『黒猫の遊歩、あるいは美学講義』に続くシリーズ作品を、書き続けている。本作はその最新作だ。
僕は第1作を読んで、若くして教授の椅子を獲得した、通称・黒猫と、その付き人に任命?された“わたし”のコンビに魅せられた。
そしてシリーズ作品を読み継いでいるが、本書でシリーズは7作目となり、さらには本書から新たな展開となっている。

 

 

年前まで、いや、今からすればおよそ10年前まで、僕の卒業した千葉県立大多喜高等学校の、クラス会「33会」が毎年1回実施されていた。昭和33年卒業ということと、第1回の集まりに33名の参加を見たことからも、33会と名付けられたクラス会は、東大卒のI氏を会長として、気の合った仲間が集うクラス会として、思いのほか長続きした。
だが、そんな仲間も今年で80歳を迎えるから、もう、クラス会が召集されることもないだろう。
クラス会に集まるメンバーのうち、多くの男性諸氏は大卒で、僕は時折彼らの大学時代を、羨ましく思うことがあった。いや、その学歴云々ということではなく、その時代のキャンパス生活の経験に、今更どうにもならない自身の同時代の、経験を重ね合わせたものだ。
そうしたことも、このシリーズを面白く読む要素の一つになっているのだろう。長く続くことを願うばかりだ。

 

 

 

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