隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1421.消えた受賞作

2013年12月17日 | アンソロジー
消えた受賞作 直木賞編
読 了 日 2013/12/02
編  者 川口則弘
出 版 社 メディアファクトリー
形  態 単行本
ページ数 334
発 行 日 2004/07/06
ISBN 4-8401-1110-3

 

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い立ってここ一週間ほど、ブログのインデックスを見直していたら、江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞など、新しいデータが登録していないことに気づき、更新作業を開始した。一つやると他も気になって、次々とやることになって、一日中パソコンの前に座ることが続いている。
その中で直木賞が、途中第30回くらいからしかないので、ネットで調べて第1回からのデータを乗せることにした。僕はこのブログのデータをすべてHTML(Webサイト用の言語)で、バックアップを取っているのだが、始めた頃のデータを見ると、かなり省略されたデータもあって、時々それらのデータも一旦Dreamweaberに移して、HTMLの正確な様式に直している。
DreamweaberというのはWebサイトを作るためのソフトで、よく知られたホームページビルダーと同じような機能を持つソフトだ。前にはホームページビルダーを使ったこともあるが、今ではこちらの方に慣れたので、専らDreamweaberを愛用している。

僕の使っているBroachというNTTぷららのブログサービスでは、HTMLのBody部分だけを書けば、Header部分を省略しても問題なくWeb画面に表示されるのだが、万一プロバイダーのサーバー故障などによる、データ消失などの事故が起こらないとも限らないから、正式なHTML形式を残すように心がけている。
さらに、HTMLでいくつかのテンプレートを作り、必要なデータを流し込むことで、ブログを簡単にアップロードできるようにもしている。

 

 

2007年4月から読書記録をブログにアップロードしてきたが、1999年から書き溜めた膨大なデータを、Webサイトの知識の何もないところから始めたから、今の形にするまでたくさんの人の助けを借りてきた。
中でも、同じBroachのブロガーだったハンドルネーム“Mild7”さんにはいろいろご教授を願った。僕よりは少し若かったと思うが、それでもかなりご年配の方だった。にもかかわらず、豊富な知識をお持ちで、ずいぶん助けられたが、後に彼はBroach から他のプロバイダーに乗り換えられたようで、最近はトンとその名前を見なくなった。
他にもネット上ではたくさんのアドバイスをもらえるサイトもあって、高度なテクニック―例えばプログラミング等の―を学びたければ、“もーぐ”というサイトがある。以前VB(VisualBasic)でのプログラム作成の折に大変お世話になった。
そういうことで、僕は見よう見真似で少しずつHTML(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランッゲージ)を学習することになった。以前学んだBASICによるプログラミングよりは易しく、何よりOfficeに備わっているメモ帳に書いて、直ぐにIE(インターネット・エクスプローラー)で、確認できるところが手軽でいい。 そんなこんなで、70の手習いでも何とかものになったという話しだ。

 

 

線して話の先が見えなくなった。
第1回からの直木賞受賞作のデータを更新している中で、昭和25年上半期の第23回受賞作に、小山いと子氏の「執行猶予」があることに気づいた。当時の僕はまだ小学5年生だったから、直木賞など知る由もなかったが、ずっと後の彼女の活躍については人生相談などで、その名を知るようになる。

 

小山氏がこうしたミステリーを書いているとは知らずにいたから、彼女の作品を読む機会に恵まれずにいた。
今頃になって、直木賞受賞作にその名を見つけて、急にその作品を読まなければという気になった。
そこで近隣三市の図書館を検索したが見当たらなく、Amazonを検索すると図のような文庫(早川書房刊)があったが、古書ではあるがとても僕が手を出せるような価格ではなく、仕方なく此の作品が収録されていると言う「消えた直木賞」を、君津市の図書館で借りてきた。

本書には

 

収録タイトル
# タイトル 著者
1 天正女合戦 海音寺潮五郎
2 雲南守備兵 木村荘十
3 蛾と笹舟 森荘已池
4 山畑 同上
5 ニューギニア山岳戦 岡田誠三
6 刺青 富田常雄
7 同上
8 執行猶予 小山いと子
9 藤井重雄

 

以上のように七人の作者による9編が治められているが、今回の目的は「執行猶予」だから、僕は「執行猶予」のみを読んで(贅沢な読み方だが)、図書館に返した。

 

 

僕の先入観からか、ミステリー小説とはあまり関わりのないと思っていた作家が、ミステリー作品らしきものを書いているのを知ると、読みたくなるのだ。多分それは昔江戸川乱歩氏が、探偵雑誌「宝石」の編集に乗り出した頃、文芸作家にミステリーを書くことを勧めていたことが、頭の隅に残っているからかも知れない。
小山いと子氏のこの作品は、昭和25年という戦後まもなくの時期にかかれたもので、当時の時代背景も描写されて、そうした混沌としていた時代を過ごしてきた僕にしてみれば、なんとも言えない思いが蘇る。

 

事だった君塚一清が検事の給料だけでは女房子供を養っていけないと、弁護士になって数々の事件を手がけて、やがてその手腕が買われて大手企業の顧問弁護士となる。配給制度だった食糧事情の悪い時代に、横行したのは闇屋と呼ばれる業者が、主食の米を裏で流通させていた。
勿論そうした闇米を買うことは違法だから、そうした闇で流通している食糧は一切口にしないと言って、栄養失調(もうこの言葉も死語ではないか)で倒れた検事がニュースになったのもこの頃だ。

タイトルの「執行猶予」は君塚弁護士が、難しい被告の弁護をして執行猶予に持ち込む、と言う意味も有るのだが、もう一つ最後に示される重要な意味も有るのだ。

本書の編者、川口氏についても書こうと思っていたが、長くなったのでまたいずれかの機会にしよう。

 

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