隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0893.ミステリオーソ

2008年06月16日 | エッセイ
ミステリオーソ
読了日 2008/6/17
著者 原尞
出版社 早川書房
形態 単行本
ページ数 340
発行日 1995/6/30
ISBN 4-15-207928-2

 

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入して、読んでしまってから云うのもおかしいが、僕は、特別な人以外の作家のエッセイにそれほど興味があるわけではない。この本もエッセイの他に私立探偵”沢崎”の短編が収録されているということで読み始めたのだが・・・。
初めての著者の作品「私が殺した少女」(474.参照)を読んで、読む前に漠然と感じていた著者への印象が改められ、惹きつけられるものを感じて、読み継いできた。が、正直言って、本書は読まないほうが良かったかもしれないと思っている。

まあ、エッセイと言っても、事実を交えた作品だと思えば言いのだろうが・・。作家業の前は、ジャズピアニストだったという著者自身の話は、膨大な量を誇る読書について、自身の生業だったジャズについて、映画について、ハードボイルドについてと、いろいろな話題が探偵”沢崎”を思わせるような辛口の語り口で書かれている。
独特の感性を持った著者の視点は、僕などにはちょっと付いていけないようなところもあるが、人それぞれだから、反感を持つほどのことはない。それでも中には、なるほど最もだと感じる部分も少なくない。

人気作家と比べても意味はないが、僕も多少天邪鬼なところがあるから、こうしたエッセイを読んで、作家の考え方や、ものの見方が判ったところで、その作品を読む姿勢になんら替わることはないのだが・・・。要するに作家は、その作品で勝負だから、作品が面白ければ言うことはないのだ。

 

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