隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1224.図書館戦争

2012年02月15日 | 冒険
図書館戦争
読 了 日 2012/02/05
著  者 有川浩
出 版 社 角川書店
形  態 文庫
ページ数 398
発 行 :日 2011/04/25
ISBN 978-4-04-389805-3

 

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れの大晦日(2011/12/31)に発生した、福祉施設の行方不明者の事故から1か月半あまりが経過したが、残念ながらその行方は未だ定かではない。
捜索の方法も尽き、その後の手がかりも皆無という状態の中、捜索の打ち切りを提案したが、それでもなおかつ継続を主張する者もいて、捜索本部も置かれたままだ。
富津市から君津市にかけていくつかの小さな河川が存在する。豊英ダムから三島ダムの下流を流れる小糸川、豊岡光生園の下に位置する戸面原(とづらはら)ダムの下流の湊川、亀山ダムの下流を木更津市に向かって下る小櫃川などである。
捜索本部長は、船で川下りをして捜索するということを考えて、プラスチック製の平舟を手配した。川と言っても浅瀬の多い所で、その上舟や人を川に下す場所も少ないことから、難しいことも予想されるが、他に方法もないこともあって、来週(2/20~24)決行する予定を立てている。 僕も捜索助勢員としてささやかながらアシストしてきて、先日(2/13)不明者の保護者宅を訪問して、相も変わらない状況を母親に報告してきた。情報の全くないという、文字通り情けない状況を報告するのは、心が痛むが何とも仕様がないことである。 保護者会の支部長、湊ひかり学園の職員と3人で、その帰路に川下りの出発点を見つけて歩くも、適当な場所はそうそうあるわけでもなく、君津市植畑地区の小糸川に流れる小さな流れに架かる橋の際が、強いて言えば出発点になるかと視認した。

捜索は天候次第で、来週の気象状態が安定することを望むしかない。

 

 

 

 

 

そんなことで、読書もブログもなかなか進まないが、あまりの評判振りに、どんなストーリーなのだろうと、ついに本書を読むことに。
男性だとばかり思っていた著者は既婚の若い女性だったことに少し驚く。
巻末に著者と、俳優で読書人としても知られていた児玉清氏の対談が載っており、読み終わった後、なるほど児玉氏の好みに合いそうな内容だと納得。児玉氏は残念ながら前年胃癌のため故人となってしまったが、生前NHKのラジオ番組で、アナウンサーの問いに答えて、サスペンス小説が好きだという旨を語っていた。
その中にはもちろんミステリーも入っており、最近では週刊ブックレビューというNHKBSの番組で、アメリカの人気作家、ジェフリー・ディーヴァ―氏のインタビューでいろいろと興味深い話を聞きだしていた。

 

 

は著者がこの作品を書くに至った経緯を読んで、旺盛な創作意欲と好奇心や想像力に圧倒された。
この作品そのものは僕の好みではないが、あり得ないような話の中で、活躍するキャラクターや、環境が実在するかのように描かれていることに、驚く。しかし、僕が好みでないというのは、基本的に僕の中には戦争への拒絶反応があるのだ。多分幼い頃の太平洋戦争の記憶が、トラウマになっているのかもしれない。前にどこかで書いたと思うが、僕は子供のころからかなりの歳になるまで、そうだな20歳を過ぎるころまでかな、サイレン恐怖症のような感じだった。東京大空襲を受けた後、おふくろの実家である茨城県の牛久村(現在の牛久市)に疎開していた頃に、始終警戒警報発令のサイレンが鳴り響いて、B29の襲来を告げていたのがその原因だ。
話がそれた。

 

 

それなのになぜ戦争という文字がタイトルに入っている本書を、読もうという気になったのか?やはり好奇心か。図書館でなぜ戦争が起こるのか?といった疑問も後押ししたのかもしれない。
特殊部隊の戦闘員として活躍する笠原郁という若い女性兵士?と、その上司である堂上篤を主人公とするストーリーではあるが、僕は笠原郁よりも、その同僚で図書委員の柴崎麻子のあっけらかんとしたキャラクターの方が好きだ。
他にも個性的なキャラクターが数多く出てきて、あり得ない話?を面白おかしく進めていく。このシリーズが番外編を含めて6冊も出ているということに驚くが、痛快さや、1巻で収束されないラブストーリーの進展を求める読者がたくさん居るのだろうな。

 

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