隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1897.ベルリンは晴れているか

2019年03月19日 | 戦争
ベルリンは晴れているか
読了日 2019/02/28
著 者 深緑野分
出版社 筑摩書房
形 態 単行本
ページ数 480
発行日 2018/09/26
ISBN 978-4-48-080482-2

 

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紙を見て、本はチームで作られるものだということを、改めて感じる。普段それほど気にしていない装丁だが、本書ほど読んでみたいという気にさせる本は、ざらにはないだろう。近ごろ長い小説は途中何度か休みを入れながら読むのだが、その都度表紙のイラストやタイトルに惹かれて、なんともその魅力に酔いしれる。
とは言うものの、内容は決して楽しいものではない。なんとなれば第2次世界大戦の終了時の混とんとしたドイツが舞台なのだ。大戦中のドイツと言えば、アドルフ・ヒットラー率いる悪名高いナチスが恐怖政治で、ユダヤ人迫害を行っていたことを、いやでも思い起こす。

第2次世界大戦の終結後、我が国の状態を振り返れば、かの国の状況も想像できるように、特にナチス崩壊後のドイツにおいては、その混乱も半端なかっただろう。
まだ若い作者が、なぜそんな時代を舞台に物語を紡いだのかは、その登場人物たちの動きを見れば、作者の意図も分かるというものだが、戦前戦後の時代をわずかながらも経験した僕にとって、ある部分では懐かしささえ覚える時代の流れが、胸に響く。

 

 

去る2月6日に市原市立図書館から、予約の資料が用意できたとのメールが入った。 本書は、本屋大賞2019にノミネートされている。それでかどうかは知らないが、評判が高まって、どこの図書館でも多くの予約が入った状態だった。僕がこの本を知ったのは、どこだったか忘れたが、冒頭に書いたように、表紙のイラストでぜひ読んでみようという気になったのだ。
何がそれほど僕を引き付けたのか?具体的には説明できないが、とにかく顔のはっきりわからない少女のセピア色の絵は、古い時代を現しているのか、僕にはあのいやな戦争の時代を思わせるとともに、何かある種の懐かしさを思い浮かばせたのだ。
だが、僕が分からないのは、複雑な思いを抱かせるこの作品の、どういうところが多くの書店員から選ばれて、ノミネートされたのかということだ。
なんだかわけのわからない泥棒をお供の、少女の人探しの道中は、決して楽しい話ではないのだ。

 

 

のところ春らしく暖かな日が続いて、今日も僕の部屋にはまぶしい日差しが降り注いでいる。過ぎた17日の日曜日は、16時からのLPGAツアーのテレビ観戦が、僕の望んだとおりの展開となって、大満足だった。
前日5アンダー3位で最終日に臨んだ鈴木愛選手は、5バーディー1ボギーと、4つ伸ばし通算9アンダーの成績で優勝した。
前日までの予選で2オーバー57位までの選手が、決勝に臨んだ18ホールの戦いは、最終日の強い風の影響もあって、上位選手が伸び悩む中、鈴木愛選手は2番3番ホール続けてバーディーという好調な滑り出しだった。さらに11番ホールでもバーディーと好調さを維持したが、12番ホールは残念ながらボギーをたたいて1ダウン。だが、15番ホールでは5mのバーディーパットを沈める。
そして最終18番ホールもバーディーと、有終の美を飾ったのである。贔屓の選手が勝つのを見るのはいつでも気持ちのいいものだ。今度の22日からの、Tポイント×ENEOSゴルフトーナメントは、鈴木愛選手はディフェンディング・チャンピオンだ。再びの活躍を期待したい。

 

 

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