私は子供のころから音もなく降る雨が
好きでした。
台所の上の四畳半の和室が僕の部屋。
我が家の裏は
家の前の広場を造成する為に土を取った
跡の崩れた山肌。
ところがこの崩れた斜面が子供にとっては
格好の遊び場になっていたのである。
子供の知恵、子供なりに自然にうまく溶け
こんで自然をも味方に引き入れる能力を
表していた。
大勢の兄弟姉妹の中で下から3番目の私に
居場所といえば、祖母が亡くなってからは
この四畳半一間の空間だけだった。
家と斜面の間に猫の額ほどの畑があった、
母が家族の為に季節の野菜を栽培していた。
その畑の石垣から2mほど下がって我が家は
建っていた。
春めいて夏の暑い盛りになると、
石垣に歓迎されざるお客さんが顔を見せる、
それは、長いヘビであった。
動物好きの私であっても、このヘビちゃん
だけは、現在に至るも苦手な生き物である。
1人で寝る私の耳に、音もなく降る雨は、
どの子守唄にも負けない旋律を奏でて、
私の心を癒してくれた。
泣き虫小僧の ようやんが 意地悪先輩の
仕打ちを怖がって涙した小部屋でも在った。
音もなく降る雨が、この石垣に落ちると
得もい得ぬ 雨音を聴かせてくれた。
それは、私が今まで経験したことのない、
慈愛に満ちた天使の歌声だった。
もう二度と、あの部屋で寝ることもないが
幼少の思い出として脳裏から離れない。
雨は・・・
心を揺らす
心を沈める
心を泣かす
しかし、私には
心を癒す
心の痛みを治す
妙薬でも有った。
雨よ! 音もなく降る雨よ !
激しく人間社会に警鐘を鳴らす雨よ !
濁流となって人々の生活に脅威となる雨よ !
人間社会に復讐するように災害をもたらす雨よ !
鎮守の森住吉神社の下・・・
四畳半の小部屋の少年を想い出しておくれ !?
土曜日の昼下がり 我が家の屋根に
音もなく雨が降っている。
人生は・・・?
懐かしい友の顔を思い浮かべながら。 ・・・。。。
合掌
好きでした。
台所の上の四畳半の和室が僕の部屋。
我が家の裏は
家の前の広場を造成する為に土を取った
跡の崩れた山肌。
ところがこの崩れた斜面が子供にとっては
格好の遊び場になっていたのである。
子供の知恵、子供なりに自然にうまく溶け
こんで自然をも味方に引き入れる能力を
表していた。
大勢の兄弟姉妹の中で下から3番目の私に
居場所といえば、祖母が亡くなってからは
この四畳半一間の空間だけだった。
家と斜面の間に猫の額ほどの畑があった、
母が家族の為に季節の野菜を栽培していた。
その畑の石垣から2mほど下がって我が家は
建っていた。
春めいて夏の暑い盛りになると、
石垣に歓迎されざるお客さんが顔を見せる、
それは、長いヘビであった。
動物好きの私であっても、このヘビちゃん
だけは、現在に至るも苦手な生き物である。
1人で寝る私の耳に、音もなく降る雨は、
どの子守唄にも負けない旋律を奏でて、
私の心を癒してくれた。
泣き虫小僧の ようやんが 意地悪先輩の
仕打ちを怖がって涙した小部屋でも在った。
音もなく降る雨が、この石垣に落ちると
得もい得ぬ 雨音を聴かせてくれた。
それは、私が今まで経験したことのない、
慈愛に満ちた天使の歌声だった。
もう二度と、あの部屋で寝ることもないが
幼少の思い出として脳裏から離れない。
雨は・・・
心を揺らす
心を沈める
心を泣かす
しかし、私には
心を癒す
心の痛みを治す
妙薬でも有った。
雨よ! 音もなく降る雨よ !
激しく人間社会に警鐘を鳴らす雨よ !
濁流となって人々の生活に脅威となる雨よ !
人間社会に復讐するように災害をもたらす雨よ !
鎮守の森住吉神社の下・・・
四畳半の小部屋の少年を想い出しておくれ !?
土曜日の昼下がり 我が家の屋根に
音もなく雨が降っている。
人生は・・・?
懐かしい友の顔を思い浮かべながら。 ・・・。。。
合掌