Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

「間違いだらけのクルマ選び」シリーズ、終了。

2005-11-28 22:30:14 | 車・モータースポーツ
毎年定期的に出ていた本が終了する時、どんな思いを抱くのだろう。
どの書店の車コーナーに積まれている徳大寺有恒氏の「間違いだらけのクルマ選び」。
この本が来年1月下旬の「最終版」を以て終了する事が発行元の草思社のホームページに掲載されていた。

考えてみれば最初にこの本が出たのは30年前。
それから延々と書き継がれてきた事になる。
最初に「間違いだらけのクルマ選び」を手にしたのは、確か大学生の時だったろうか。
中古車を選ぶ時に、読みふけっていた事を覚えている。

それから社会人になり、最新版が出る度に読んでいた。
新車選びには役に立ったとは正直言いがたい所はあるけれど、著者の書く文章が非常に好きだった。
趣味丸出しな文章というのは読んでいて鼻につく事が多いが、この人の文章はそうではなかった。
最後の方になってくると、「クルマを通じて人生を語っているのか」と思えるような所もあったりして、車の批評よりもそちらの方が興味深かった。
そんな味のあるシリーズが終わってしまうのは実に寂しい。

話は変わって、30年間続いたこのシリーズ、全て揃えている人はどれだけいるのだろうか。
というのも、毎年出る本の宿命で古い版はさっさと古書店に流れてしまい、百円均一コーナーを飾っている場面をよく目にしていたからだ。
「そんなものだ」と言われてしまえばそれまでだが、このシリーズが描き出してきた30年間は、そのままこの国のクルマの発達史そのものだ。
そういった意味からも、もっと評価されていいと思っている。

という訳で、著者が辿った30年間の「クルマ選び」を追体験したくなってきた。
古書店で見かけたら買える時に買っておこうと思う。
初期の本は特に。


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