Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

サン・ストラッセ、沿線自治体へ路面電車再生への協力を求める。

2006-04-28 04:54:36 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
岐阜周辺から路面電車が姿を消して丸一年が経過した。
去年の今頃、関市でショッピングセンター「マーゴ」を経営する「サン・ストラッセ」が路面電車再生に乗り出したことをふと思い出す。
同社の挑戦が始まってから一年が経過しようとしている。

その「サン・ストラッセ」と、岐阜県、旧路面電車三線の沿線自治体との三回目となる関係者会議が開かれたことを22日の岐阜新聞(web未掲載)で知る。

記事の概要を整理すると、次のようになるだろうか。
・21日にサン・ストラッセと岐阜県、沿線市町による関係者会議が岐阜市内で開かれた。
・サン・ストラッセが中心となって組織する「岐阜地区新鉄道準備室」が国土交通省中部運輸局へ提出した軌道事業の特許申請について同社が説明を行い、関係自治体に対して協力を求めた。
・協力を求める主な内容は、年間一億~三億という赤字を織り込んだ事業計画に対して沿線自治体への負担を求めること、中部運輸局など関係者を増やして協議していくこと、補助金、資産譲渡に関する専門部会を設けること、の三点。

新聞記事を見る限り関係者会議に進展は見られないようだ。
結局、「名鉄からの資産譲渡」に前進が見られない以上、話が先に進む道理もない。
名鉄が資産譲渡に「行政の関与」を求め続けている。
これに対してサン・ストラッセ側は関係者会議の場において理解を得ようとしているが、譲渡を見込む資産に対する基本情報すら得られない中で作成されたと思しき事業計画では説得力を欠くのは止むを得ないところか。

そんな状況下で「赤字前提の事業計画」を持ち出し、しかも沿線自治体へ負担を求めていくという説明が戦術的にフェアと言えるかどうかという印象は拭えない。
確かに路面電車再生計画が描くスキームは確かに理想的であるとは言える。
しかし、肝心要の地元の理解が十分得られているとは考えにくい中での「負担要求」はかえって逆効果にならないか、という気がする。

この他にも補助金や資産譲渡に関する専門部会を設けるよう沿線自治体へ協力を求めているが、個人的には後者に専念した方が良いのでは、という感じがする。
まず、名鉄からの資産取得を成功させる。
全てはそこから始まるのではなかったか。

理想を追うあまり、あれやこれやと性急に手を広げすぎているのではないか。
記事を読んでそんなことを思った。

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