Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

続・一年ぶりに旧谷汲駅を訪れる。

2006-12-02 05:52:53 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
かつて谷汲山華厳寺への参拝客で賑わったホーム。
その役割を終えてから5年以上の時が過ぎた。
既に「里帰り」していたモ755に加えて、今年の谷汲駅には新顔が加わった。

周知のように谷汲線が廃止された3年半後、岐阜の街から路面電車が消えた。
その象徴である510形の一両、モ514がモ755の隣に展示された。
これで終末期の谷汲線を象徴する二両が顔を揃える・・・ということになるが、それが実現したというのも「路面電車の全廃」という事実があったことに何か皮肉な感慨を持つ。


モ514の車内に入ることが出来たので入ってみる。
ホームとの間隔が開いているのが気になったが、渡り板が置かれているので乗車には支障がない。
ちなみに軌道線区間用のステップは下ろされた状態になっていた。
件の渡り板との関係だろう。
車内は岐阜の路面電車時代、末期の姿を止めている。
現存する510形の内、旧美濃駅に展示されているモ512は座席が撤去され、岐阜市の金公園のモ513は車内は非公開となっている。
となると、ここのモ514が一番雰囲気を堪能できる車、ということになる。

駅を出て、横の歩道から旧谷汲駅構内を撮ってみる。

二両の位置関係がよくわかる一枚になった。
514の近くには、かつて750形に装備されていた大きなスノープローが展示されているのも一年前と変わらない。
去年来た時と比べて車両の数は増えたものの、ここを訪れる人の数は減ったような感じもする。
しかし、落ち着きがかえって増したようにも思えたのは何故だろうか。

この旧谷汲駅と美濃町線の終点であった旧美濃駅、両方の終着駅が奇しくも車両を展示する施設としてその姿を止めているのは喜ばしい限り。
時間が止まったかの如き雰囲気をこれからも伝え続けて欲しいと思う。
そこに電車が走っていた、ということを伝えるためにも。


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