Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

ようやく「バス優先レーン」設置・・・。

2006-01-28 06:58:29 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
岐阜から路面電車が姿を消して、もうすぐ一年。
時の流れの早さを実感すると共に、この一年は一体何だったのだろうと思うこともある。

乗客を運びきれず積み残しを出し、しかも本数が減少した路面電車代替バス。
ようやく形を見せた「岐阜市総合交通政策方針」もコミュニティーバスの展開を考えると疑問符がつく内容と言わざるを得ない。

そして、岐阜新聞の記事を見て「ようやくか」という思いを強く持つ。

記事の要旨をかいつまんで整理すると、次のようになる。
・岐阜市内における公共交通利用促進計画を協議する「市公共交通利用促進地域協議会」の第3回会合が25日、岐阜市役所で開催され、岐阜市側は旧名鉄岐阜市内線に沿って名鉄岐阜駅前から忠節までの道路にバス優先レーンを設置すること及び市中心部でコミュニティーバスを走行する事業計画案を説明した。

・バス優先レーンは名鉄岐阜駅前から旧忠節駅までの約3.7km。設定時間帯は平日朝7時から8時30分まで。
・コミュニティーバスは、柳ケ瀬を中心に東は白山・梅林地域、西は本郷・木之本地域を「8の字」に回るルートを想定。
・名鉄岐阜駅付近でのタクシー乗降場の拡大や新設。
・岐阜市・岐阜県警は年度内に事業計画をまとめる。

路面電車が消えて、道路容量に余裕が生じたかと言えばさにあらず。
路面電車から自家用車に乗り換えた人が多く、かえって渋滞は悪化している。
岐阜市自らが調査したところ、最ピーク時の渋滞は路面電車廃止前の二倍以上の長さに及んだという。
これでは代替バスの定時性が担保される状況にあるとはとても思えないし、乗客離れは増加する一方。
従って、この流れを食い止めようと今回の事業計画説明に至ったと思うのだが本来であれば路面電車代替前に話を詰める必要があったのではないかと思う。

路面電車廃止に伴い、路面電車時代より利便性に劣る代行バスが走る以上、乗客が代行バス以外の交通手段に逃げる可能性を岐阜市は甘く見ていたのではないだろうか。

まず、道路が「渋滞」する事自体、環境に優しくない。
そして、そうした現状が岐阜市が掲げる「公共交通が便利で使いやすく、自動車を加えたそれぞれの交通手段が連携した交通体系への転換を目指し、誰もが自由に移動できる交通環境社会」を実現するという「岐阜市総合交通政策方針」の言葉は全く具体性を伴っていない。
結局、「岐阜市総合交通政策方針」で岐阜市当局が危惧する「自家用車に依存した郊外型の生活様式」はより一層強化されているのではないだろうか。

岐阜市の紙の上の言葉と裏腹に。

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