Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

高山線代行バスに乗る。

2005-12-01 07:26:05 | 鉄道(JR)
「おくひだ1号」は猪谷に到着した。
ここから再びJRに乗って最後の目的地、高山を目指す。
しかし、この猪谷・角川間は昨年10月の台風23号で橋梁流出等で不通になっているので、駅前から出る代行バスを利用する。

猪谷着11時12分の高山線850Dに接続する22分発のバスに乗る。
乗っていた人の数は10人いたかどうか。
料金の精算は、中間駅で降りる場合のみ運転士に支払う形になる。
猪谷・角川間の利用であれば、両端駅で精算する。

猪谷を出た代行バスは国道360号線を走り出す。
バスの窓から眺めていると、国道360号線の復旧工事はピークを迎えており、しばしば対面通行になっている。
工事を示す立て看板の工期を見ると、工期末は「来年3月」となっていた。

国道に平行する形で高山線の線路が見えてきた。

線路の道床が流されているようにも見える。
主役なき線路もさる事ながら、自然の猛威が奮った爪痕に絶句するのみ。

国道360号線の方も、復旧工事で舗装が剥がされている所も見受けられる。
本当に小型バスでなければ走れない所も走ったり、工事車両を先に通したりと代行バスの運行が大変だという事は見ていて理解できる。
そして、こちらも大変だ。
路面の状態が悪いため、結構揺れる。
おまけに腰まで痛くなってきた。

途中、杉原、打保の各駅に停車する。

しかし、誰も降りないし、新たな乗客が乗ってくる事もなかった。

坂上に12時10分過ぎに到着。
ここで10分近く停車し、猪谷行の代行バスと行き違う。
また、代行バスは列車と違ってトイレなぞ装備していない。
トイレ休憩も兼ねているのだろう。
ちなみに、代行バスは坂上駅前には入らない。

という訳で、時間が少しできた。
乗客の多くが車外に出て外の空気を吸ったり、はたまたタバコを吸っている。
自分はトイレ休憩を兼ねて坂上駅へ行ってみる。


トイレは開放されていた。
しかし、改札口は閉鎖されておりホームに出られないようタイガーロープが張られていた。

バスに戻り出発を待つ。
しばらくすると、角川からの代行バスがやってきた。
その到着を見届けてから終点へ向けて発車した。

終点角川には12時32分に到着した。
駅前の狭いスペースに停車する。

これでは小型バスが一台、転回するのがやっとだろう。

角川駅のホームには既に12時42分発の高山行が発車を待っていた。
無人駅だが、乗客を誘導する目的だろうか、警備員が一人常駐している。
発車準備が整うまで改札口は閉じられている。
「しばらく待つように」との事だった。

数分の後、乗車して良いとの事。
ホームに上がる。

ようやく、ここから再び列車の旅が始まる。
角川駅は対向式ホームを備えた駅だが、暫定的な終着駅となっている現状では駅舎側のホームのみ使用されている。


発車まで時間があったので、高山側の線路を撮る。

猪谷方面のポイントが撤去され、棒線と化している。
この駅が「終着駅」である期間がそれだけ長くなるという事の証なのだろう。

12時42分、高山行1828Dはゆっくりと角川を発車した。
車内はガラガラだった。
途中、上枝で角川行と交換する。
本来であれば小さな中間駅に過ぎない「角川」の行先表示など用意されていないので、正面方向幕には「普通」が表示されていた。
高山には13時11分着。
改札口を出ると、これまでの静けさはウソみたいに観光客で賑わっていた。

猪谷からの代行バス乗り継ぎ旅はこうして終わった。
一昨年の台風16号の被害がいかに凄まじい物だったか、流出した橋梁を車窓から見てよく理解できた。
確かに道路が機能しなければ、鉄道の復旧も覚束ない。
なるほど、2007年まで復旧が遅れる訳である。
いずれにせよ、一日でも早く富山までの鉄路が復旧する事を願って止まない。

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