Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

巷では「本離れ」が進んでいるらしい。

2005-10-28 23:09:59 | 
昨日から「読書週間」が始まった。
これに関連した読売新聞の世論調査の結果を見る。

自分では本に毎日触れ、それなりに親しんでいると思っているが、世間の動きはどうもそうではない事は確かなようだ。

世論調査の結果とその感想は次のようになる。
○この1ヶ月間本を「読まなかった」人の割合は52%。20年前に較べると11%の増加。「読まなかった」人の割合は男性49%、女性54%。

○「読まなかった」を年代別に見ると、70歳以上が66%と最も高く、40歳代が44%と7%伸びているのが印象に残る。

○学生の「活字離れ」が言われて久しいが、今回も更に悪化。何と40%の学生が「読まなかった」と回答。20年前は一割だったというから呆れるしかない。
まぁこれは「漫画を読んでいるだけでも『本を読んでいる』」という話を以前聞いたせいかもしれない。

○本を「読まなかった」理由は、「時間がなかった」、「読みたい本がなかった」、「読まなくても困らない」がトップ3を占めている。ただ、「健康上の理由で読めない」が60歳代、70歳代で増加しており、読書人口の高齢化を見ることができる。

○上記のように「本離れ」が進行する中、この1ヶ月間で読んだ本の内容に「満足している」と答えた人が約90%に上る。年代別に見ると20歳代で92%、30歳代で93%、男性87%に対して女性が90%となっている。
ここから考えると、20歳・30歳代、特に独身ともなると、可処分所得と自由になる時間が一番多い世代ではないかと思う。言い換えれば、それだけ多くの本に触れる機会はその気になれば取れる世代でもある。

○話題の本を買うかどうかについては、「買う」が23%、「買わない」が76%。
「話題の本」というのは大量に発行され、直ぐにブックオフを初めとする新古書店に並ぶ事が多い。
ムリに新刊で買う事はないと考えているので、まぁ妥当かなぁと思う。

世論調査の結果は大変興味深い点が多かったが、はっきりしているのは「本を読む人はどこまでも読み続ける」、「読まない人は徹底して読まない」という二極分化が進んだということだろう。
前者は自分なりに読みたい分野がはっきりしているから、本選びに困る事はない。むしろそれは「愉しみ」という言葉で言い換える事ができる。

後者はそういった事自体に関心はなく、せいぜい情報が取り込めればいいという事なのだろう。
結局は読書を自らの生活習慣として取り込めている人とそうでない人の間の「格差」は大きくなっており、しかもその溝は深くなっているというような気がする。

最後に「活字離れ」歯止め策に関する回答を見ると、「読書の時間を学校の授業科目にする」が40%と高かったが、それはちょっと難しいのではという気がする。

親の世代が本に興味を持たなければ、子供がそもそも本に接する機会は限られる。
そうした子供に「本を読め」と言っても、大抵の子供は反発するだろうし、何よりどんな本が読みたいのか自分でもわかっていないだろう。
言い換えれば「本って何?」という所から教えていかないと駄目なような気がしてならない。

従って、子供に本を読ませたいというのであれば、学校に頼るのではなく、親が本を読んでいる姿を子供に見せ、小さな時には内容を読み聞かせるといった努力が必要なのではないだろうか。
そうした意味で親の「学校頼み」がかいま見えた調査結果だったと思う。

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