森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:6期生ゼミスタート

2010年09月16日 06時31分47秒 | 日記
昨日より,本年度配置された3年生のゼミがスタートしました.
今年配属されたのは6名.
筆保君,渡久地君,峯君,小出さん,田中さん,藤原さんで,
それぞれが独特の個性をもった6名です.
ゼミは仲良しクラブでもないので,
これでよいのですが,
これから,是非とも,「快」になっていくよう,
1年半のゼミ(間半年は実習)が進んでいくようにと思います.

昨日は筆保君が神経可塑性のバリエーション,
峯君が痛みの脳内機構,
田中さんがストレス反応に伴う脳内の分子機構について論文を取り上げました.
まだ,論文をどのように検索していいかわかってないようですが,
最初から機能的に検索するのを求めるのではなく,
いろんな横道にそれながら,自分で確かめていった方が
自分の検索方法となります.
近道を最初から求める者は,多様性を失います.
迷い,悩み,これでいいのか,と思い,
ダメな場合もあれば,それで背中を押してもらう場合もある.

それは「知の生成」への終わりなき旅のスタートである.
最初から舗装さえている道を歩くのではなく,
凸凹な見えない道を歩く方が体で感じることができる.
体がそうであるように,脳もそういう道を本当は求めているのです.
記憶が残っていくとは,そういう道を歩くからです.

社会で生きることは,形あるものでなく,形をつくっていくものです.

なぜ,龍馬伝がこの時期に放映されているのか?
なぜ,ゲゲゲの女房がこの時期に放映されているのか?
「形あるものへ機械的に入るのではなく,自分の信念を貫き,それを行動していく」
つまり,実習合格や就職内定という,小さい目先の目標でなく,
この世界を変えるという広く,強い志を若者は持つべきという,
意図があるのだと思います.

けれど,これも負のスパイラル.
音楽事情と似ている.
CDが売れないご時世.
売れないから,売れそうなものだけが世に出る感があります.
たとえば,Funky Monke Babyの歌をGReeeeNが歌っても,あまり違和感がないように,
脱個性が音楽事情でもあります.


個性が強いアーティストが,誰かの曲をコピーしても,その人の歌になるし,
一方,これはやっぱり,オリジナルやね(がいいね),となりますが,
最近は脱個性なために,誰が誰の歌を歌ってもそれなりに,同じように聞こえてします.
もっとすぐれたアーティストは完全コピーもやってのけるし,
そしてまったく独自の表現もできる.

売れない,儲けないというものは脱個性をつくってしまう.
これはセラピスト業界,つまり給与水準への不安が潜在的に反映しているのかもしれません.
この時代だからこそ,マジョリティだけに流されず,
マイノリティでどれだけ粘れるか,まさに「坂本龍馬」の郷士根性,「水木しげる」の貸本漫画精神が必要なのです.

そんなことをみんなを見ながら,強く思いましたが,
これも時代なんでしょう.

「この国はこのままでは滅んでしまう」という危機感を持てとは思えないでしょう.
「このままではリハビリテーション業界は衰退してしまう」とも.
衰退してから転職しようとするのは,情動脳ですし,
衰退したら,そこから逃げるでは反射脳です.
皮質脳,すなわち,あらゆるケースを予期して生きていく,
皮質の動員をすることで,世の中は良い方法に動き始めます.


これは研究仮説も同じです.




1年後,どのような研究ができているか楽しみです.


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