森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:エポックメーキング

2010年09月29日 07時17分18秒 | 日記
昨日は福岡から兒玉隆之先生をお迎えし,
脳波に関する講演をしていただきました.
講演に先立ち,本研究室ゼミ生の楠元さんの脳波研究に関して御助言をいただき,
とても研究遂行にあたってクリアになり,
先生に来ていただいて本当によかったです.



講演は大学院生,学部関連ゼミ生,本学教員などが参加し,
電気生理,脳波の構造,脳波の歴史,そして解析方法と,
新旧すべてが2時間に凝縮した内容でした.
何気なく使っている用語を実に平易に明快に伝え講演技術はとても参考になるとともに,
一方で,いまさら聞けない内容も実に丁寧に講演いただきました.
先生のお人柄が出た内容と同時に,
絶対的に脳波研究に関する知識を感じ,
この業界にとって数少ない飛躍しすぎない脳研究者だと思いました.
実に基本に忠実で,ある意味,ボスに鍛えられてきたのだなと思いました.

内容は専門的用語があり,脳波に関する基本的知識がないと難しいかなとも思いましたが,
それもある部分は払しょくできたと思います.
少なくとも,私たちの研究グループにとっては,とても有意義な時間となり,
本学に導入された128ch多チャンネル脳波計,そしてEMSEソフトの研究進行に,
エポックとなる日となりました.


私はジェフ・ベック,エリック・クラプトン,ジミー・ペイジ,エドワード・ヴァン・ヘイレンのギターの音色の周波数解析図に感動しました!


今後脳波研究がわれわれのグループから飛躍的に進んでいく予感がしました.
松尾准教授がキプロスでの国際学会出席のため不在であったのが少々痛いが,
彼は無事にオーラル発表を終えてくるでしょう.

兒玉先生とは10年ぐらい共同研究できれば,さまざまな研究が国際的に世に出そうな予感がしました.
リハ領域ではまだまだ脳研究は不十分ですし,
ましてや,空間分解ばかりの議論ですので,時間分解と空間分解が同期化していけば,
飛躍的にこの領域の効果検証システムが進歩すると思います.
BMIも重要ですが,その前に脳評価(効果評価)にイメージング技術が使われ,
我々の療法の効果を眼で見て広く世の中に伝える必要があります.

幸いにも畿央大学には多チャンネルfNIRSが2台,
そしてEEGが1台,さらにはNIRS,EEGが同期化できるために
空間・時間両面からの考察,神経活動・血流変化の両面から考察することができます.
あとはパフォーマンスをみる様々な本学の装置といかに同期化させ,
フルシステムとして構築するかも,学内での重要な仕事になります.

将来的には本学のニューロリハビリテーションセミナーが,
発展的にニューロリハビリテーションセンター化し,
研究所併設の機関にUPDATEできればと思います.
そのための今は実績づくりであり,
そのセンターは広く地域の方々,そして何よりも脳損傷者に開かれた機関にできればと思います.
大学院開設,そして,健康科学研究所設立の次の仕事はニューロリハビリテーションセンター化(他大学との協力もしながら)だと思っています.

論文を書くこと,執筆をすること,そして,もちろん授業や研究指導をすること,も大事ですが,大学を広く開いたものと社会展開していくのも大学教員の重要な仕事です.

具現化できればと思っている次第です.
その起爆剤となる講演でした.


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