森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

畿央大学 ニューロリハビリテーションセミナー 臨床編

2010年12月16日 13時36分04秒 | インフォメーション

畿央大学 ニューロリハビリテーションセミナー 臨床編 
 日   時:平成22年12月18日(土),19日(日)
 場   所:畿央大学 KB04
 定   員:150名(すでに定員締切)
 受 講 費:10,000円

 プログラム:
 12/18(土)
  12:00~ 受付
  12:50~13:00 開会式
  13:00~14:30 損傷脳の再組織化と機能回復の神経機構 畿央大学大学院健康科学研究科 藤田 浩之
  14:40~16:10 失認の神経機構 畿央大学大学院健康科学研究科 谷口 博
  16:20~17:20 失調症の神経機構 畿央大学健康科学部理学療法学科 冷水 誠
  17:30~18:30 Parkinson病の神経機構 畿央大学健康科学部理学療法学科 岡田 洋平
  18:30~18:50 テーブル討議
  19:00      懇親会
 12/19(日)
  9:00~10:30 失行の神経機構 畿央大学大学院健康科学研究科 信迫 悟志
  10:40~12:10 痛みの神経機構 畿央大学健康科学部理学療法学科 前岡 浩
  13:00~14:30 神経科学に基づくリハビリテーション 畿央大学健康科学部理学療法学科 松尾 篤
  14:40~16:10 神経科学を用いたclinical reasoning 畿央大学健康科学部理学療法学科 森岡 周
  16:10~16:30 質疑応答
  16:30~16:40 閉会式



日記:私は時に研究者というよりも,教育者なんだなと思うこと

2010年12月16日 06時34分24秒 | 日記
またもや回想録になってしまいました.
先週の金曜日はいつものように岡山の朝日リハ専門学校の講義.
学習プロセスは終了したために,
今回から道徳教育の意味性についてスタートしました.
私の講義は神経科学でなく,教育学ですので,
比較的,自由度をもって話しています.
おおむね,好評のようです.
理学療法士でありながら,
まったく関係ないような話をする.
しかしながら,その共通点,人間とは,人間関係とは,
そして患者との関係とは,に気付いてもらいたい.
1年生なので,リアリティがないのだが・・・

授業の合間に,ちょうど講習会で来ていた,
石井慎一郎先生,石井美和子先生,樋野先生,建内先生にご挨拶しました.
石井先生からはファッションチェックしかありませんでした(笑).
私からは沖縄でのダイビングの話を問いました.
ちょうど私はベルベットの茶のジャケットでした.
ネクタイは久しぶりにしていましたが,
ニコルのクリスマスバージョンでした.
福井勉先生がちょうど講演中で,お会いできずに残念.
火曜日は東京都リハで講義で,奥さんにお会いしたので,
1週間に夫婦にお会いするというくだらない目標が達成できませんでした(笑).

朝日リハを後にして,一路,沖縄に.
土曜に那覇空港に到着し,
末吉先生,屋富祖先生にお迎えいただき,ホテルまで,ホテルは
ナハテラスでリゾート気分満載でした,
チェックインが座ってで,これで座ってのチェックインは2回目で,
なんだか特別気分を楽しめます.
ホテルがある程度であると,心がなごむ.
やはり,心身の疲労からか,狭いビジネスはつらいときがあります.
これも贅沢度が増して,よからぬ脳になりつつあるが,
一方で,移動移動の毎日であり,
このあたりの贅沢さで自分の幸福の度合いを帳尻あわせてるのかもしれない.
リゾートホテルに一人.
以前は寂しさがあったのですが,
最近はそれを思いません.
疲れているのだなと,自分が自分を認知できました.

19時より,懇親会.
沖縄料理のお店に行き,20名ほど,活動分析研究会のメンバーと飲みました.
下里代表とお話し,学術は棚上げし,楽しい時間を過ごしました.
少々,度を外してしまい,イメージが違ったと思います.
これも感情にどう残すかですが,
すなわち,先入観(予期)と実際のずれで,心に残すという脳の働きですが,
それが正に出ればですが,ひとによっては負の強化がされる場合があるので,
要注意です.
反省するときもあります,時には.
まあ,それは数時間,いや数分かもしれませんが・・・
学術よりも,人間性はユーモアであり,
人間関係は,ユーモアから作られる場合もあります.
どっちが信頼度を勝ち取るかは?ですが,学術がいらない場合もあります.
学術だけだと,心を通い合わせることができません.
お互いが意識しすぎて....

日曜日は5時間ほど,活動分析研究会でお話させていただきました.
神経可塑性は封印し,運動制御,学習,探索行為,などから話をしました.
200名ほど来ていただき,50名ほどはお断りしたようです.
講義は脱線させながら,注意を引き付ける戦略にでましたが,
200名もいると,十人十色だと思います.
いわゆる雑談は封印し,データ優先に話することを求めている人や,
雑談を踏まえて,時には解釈を大いにいれで,多少強引だけど,
臨床も踏まえて話すことを求めている人.
さらには,くだらない話で息抜きしながらゆっくり進んでもらいたい人.
様々な思いへの対応は200名いたら難しいのですが,最近は底辺を考えつつあります.
Neurorehabilitation and Neural Repairがリハビリテーション系の雑誌33のうち,
インパクトファクターは1位です.
それも圧倒的に高いのです.
時代が動いているのを確実に感じます.
運動パフォーマンスのアウトカムだけでなく,
脳の可塑性もアウトカムにしないといけない時代になりました.
その世界的状況に,日本のセラピストもついていかなければなりません.
時代は加速的に進んでいるのです.
運動器や物理刺激だけで語ることは,少々強引な言い方ですが,終わりを告げようとしています.

日本にもニューロリハビリテーション学会が設立されたようですが,
閉鎖的な状況が否めません.
今まで推進してきたリハ医の先生が運営に入っていないし,
突然,その業績もない人たちが運営したりしている.
その変り方はすごいなと思いつつ,
政治的な状況が否めません.
学問は開かれなければなりません.
セラピストも立ち上がってほしい.
私もそれなりに考えています.


日曜日に那覇空港を後にして,
21時過ぎに帰宅しました.
琉球ガラスをいただき,前回と同様.
今回もありがたく使用させていただきます.

講演の最中に関西圏で,スパモクが放送されていたようです.
講演中に,先生,テレビに出てますよ!ってメールをいただき,
思わず,講演中にうそっ と返信してしまいまいた.
TBSのゴールデンの全国ネットだったんですが,
関西圏だけ,お笑でした・・・
日曜日の昼の1時の放送なんて...誰が見てるのか!!と思っていましたが,
数名の学生,そして京都のPT,そして野村卓生先生よりメールをもらいました.


月曜日は朝から,大学院まで授業が4コマ.
性差の発達,道徳とコミュニケーション,言語の脳内機構などを,
理学療法学科,教育学科,大学院健康科学研究科で話しました.
その後,佐藤君の修士論文の指導を行いました.
彼は脊髄損傷の運動イメージを研究しています.

火曜日は,日帰り東京.
朝8時に出て,13時過ぎに東京の牛込柳町に到着.
今回は,脳を学ぶ(3)の対談.
アンサンブルの魅力.
なぜあわせることに喜びを感じるかについて,
ブーケのメンバー斎藤さん,猿渡さん,飯島さんの3名の音楽家に語っていただきました.
あとは私の原稿.
まだ1字も書いていませんが,1月末をと思っています.
痛みの残り2章もまだ1字も書いていません.
トータル原稿用紙200枚ほど.
正月は山籠りになると思います.
ニューロリハビリテーションセミナーが終わって向かおうと思います.
18時に東京を出て,22時半に帰宅.
奈良は遠くて,不便.
京都であれば,なんぼか楽だといつも思います.


もはや,グリーン席しか休むことができません.
毎週末の移動は,身体にこたえます.
時間でなく,距離に対して身体負担が関係します.
移動移動は,心身ともに疲弊させてしまいます.
出版は,自分の意図によるもので,モチベーションがあるために,
なんも思わず,むしろ,行きたいのですが,
やはり,毎週末講演は,精神的にもダメージが大きい.
仕事を選べといわれますが,それは外野のいうところ,
どのように依頼されているか,そして,依頼した側の気持ちを考えると引受てしまう.
龍馬でも同じようにしたでしょう.
ただ,先方の誠意が必要です.
脳のドーパミンは自己報酬だけでなく,外部報酬にももちろん作動します.
このあたりのバランスが必要なのです.


22時半に帰宅し,0時より仮眠をとり,4時に起きて,
授業準備.
水曜日,昨日は,本年度より理学療法技術実習の講義の一部を担当しました.
実習前に私の難しい講義を聴かせるのはためらいますが,
せっかく畿央大学に来ているのだから,私の本当の講義を聴けずに,
出てしまうのはどうかとも思い始めています.
昨日は,脳卒中後の可塑的変化機構から,
患者さんの身体を動かすことの重要性について説明し,
そして,それをただ動かすのではなく,
Diaschisis,脳の左右半球の機能特性から,
どのように動かし,患者の注意を操作するかを,
デモンストレーションを交えながら話しました.
ROMは骨関節の問題を解決するためのものではなりません.
工夫次第では脳にアプローチできるのです.
脳の病変だから,脳にアプローチしなければならない.
このあたりまのこと,セラピストは忘れている感がある.
そして,EBMだけでの議論でなく,
なぜclinical reasoningが必要であるか,
それが臨床であることを説明し,
うなづいてくれた学生が何名もいた.
まだ理解する能力を持っているうちの学生に感謝します.
みんなは賢い.

今回からはスライドを多用し,板書をしない方式ですが,
70名ほとんどが寝ずに聴いてくれました.
久しぶりに頭を使う授業だったと,
私にとってのほめ言葉を,ゼミとは関係のない学生から聴き,
私の報酬となりました.
大学教育とはパターンを教えるだけでない.
ルールとしてバターンを教えることも必要であるが,
それだけでは,臨床の大きな壁を超えることができない.
問題解決能力を養うっていうのは,
答えの出ないものを考えさせる,そして自らの道を仮説だてるということ.
その道の豊富さが経験なのです.

夕方以降は院生の研究指導.
永幡君と山田さんがお互いの姿勢制御の研究を説明し,
議論しました.

若田君の修士論文のチェックを行い,
23時に帰宅.

机に座る時間がなかった,この5日間でした.

ローマで開催される学会が演題締切延長になり,うれしい.
準備しようと思います.