５月１７日（土）２０億円詐欺事件のおいしさ

５月１７日（土）２０億円詐欺事件のおいしさ
　詐欺事件はどういうふうにおいしいのか？と思うのだけど。
　３か月で１割の配当が付くと詐欺したのは、江戸川区の４５歳の女で、８０人から２０億円詐欺して、１０億円が使途不明金だと逮捕されたが、その不明金とは散財してすでにない。解釈は、一人当たり２千５００万円詐欺して、半分返したから、１２５０万円平均の詐欺にあったという話らしい。
　さて、私に２千万預けてよみたいな話で、本当に自分の口座に「20,000,000」という金額が振り込まれると、これは晴天の霹靂のように嬉しいものだろうと私も思う。「タダでこれだけくれる人がいる」わけで、しかも８０人もいる。
20,000,000
35,000,000
18,000,000
50,000,000
なんていう数字が、通帳に８０行も並ぶわけで、これはもうお金に麻痺する。保険金詐欺が難しい時代になったのなら、もっと簡単で直接攻撃しようと、ずる賢い人は思う。それなら努力しましょう。
　趣味と実益でもある。イタリア旅行に客（カモ）と同伴して、毎週ゴルフもやって、フェラーリで一緒にドライブして、飲み会、カラオケやって、仲良くなったところで、うその投資話を持ちかける。最初は２００万円でねと、３か月後に２０万円返して、６か月後のさらに２０万返して、だからもっと元金増やしましょうと、今度は１千万円にして、３度目にその人の極限額を、１億円の人もいたし、６千万円の人もいたし、それを振り込ませたところで、逃げる。振込金額の総計が２０億円で半分は配当と称してもどして、１０億円が不明。しかし実体はその倍はあると関係者は見る。
　旅行やゴルフは本人の趣味だから、旅行中に１千万円も買い物やって、それを利息代わりにも渡したし、ディスカウンターの買い取り屋で、ブランドを現金売却すれば、いい客となるわけで、ならばそのディスカウンターもまた、投資話の客ともなる。拡大再生産ということだ。
　ネズミ講なんていうのもそうだけど、１日一人をカモにしましょうねと、詐欺やって、被害にあった人も、また翌日一人を詐欺に掛けると、１か月もしないうちに１億人全員が詐欺にかかるというのがネズミ講なのだが、愚かな一般人の頭で考えると、実に能率的に思うのだが、これは架空の話で実現は全く無理である。３セクのグリーンピアも詐欺みたいな旅館であったが、客が一まわりして、誰も行く客がいなくなると潰れたのは同じ話だ。商売とは、ディズニーランドのように、今日行ったけど、また明日行きたくなるようなものじゃないと、牛丼一つ見ても、成功はできない。
　２０年前にエイズの感染が叫ばれた時に、同じネズミ講方式で、５年後に人類は死滅すると阿呆なことを言っていた学者はごまんといたのだが、そうはならなかった。ネズミ講というのは、できそうで簡単にはできない。ネズミ講の極限人数とは、あの○○新聞を売っている政党のことで、人口の７％程度は存在するとされている。その程度だ。しかし人口１３人に１人は、存在すれば、かなりの規模でもある。
　刑法の愚かなところはこれからで、２０億円詐欺しても、３年で刑務所なんか出所できるとうそぶいて、多分法廷でこの女が泣くと、それが実現する。出てきてまた同じことをやる。詐欺師と引っかかる客というのは、どうも人種が似ている気がして、「金」と「宗教の勧誘」だけは、一言聞いただけで、帰れと追い払うに限る。
　この女は川島なおみみたいな女で、亭主とは鈴木宗男と小沢一郎を２で割ったような男で共犯は間違いないのだが、夫は元の生活ままシャバにいる。フェラーリやランポルギーニはもうないらしいが、ポルシェとベンツ３台はまだある。
でもしかし今日などは、どのアッパレな詐欺師の手口に感心して、頭が真っ白になってしまった。泣き落とし、強面、両刀遣いで、友人全員が引っ掛かったのだから、見事なものだ。過去の三億円強奪とか、銀行８億円詐欺なんていうお宅事件よりも、確信犯であるところが例を見ない。しかも客筋に○暴がいないところが、撃たれる、刺されるとは縁遠くて、すり抜けもうますぎる。客はスナック経営、釣り船経営、会社経営のフェラーリ仲間。旅行好きなファーストクラス連中。高島や三越の外商部、ネイルアートの経営者、美容室の経営者やその上客、保険のトップクラスの経営者などなど。女の手口というのは、こういうところも計算づくだったのだろうか。総じて、１千万円平均以上の被害でも「しかたがない」と思わせるところが凄腕だった。渡辺謙の元妻の宗教詐欺も青学の子供同級生の親がターゲットで、被害トラブルも最小限に食い止めたことも、なんだか似ている。そよ風のようにふ～っと吹いてきて、過ぎたら、１千万円が消えていたという、そんなミステリーが８０人。