黒田総裁の口先介入、円安抑制への神通力失う-正常化のみが手立てか
小宮弘子 2022年4月19日 12:34 JST ブルームバーグ
ドル・円相場は日銀の黒田東彦総裁が18日に「最近の円安はかなり急速」と述べたことで一時反落したものの、日米金利差の拡大を背景に発言前の水準をあっさり回復し、足元では1ドル=127円台後半まで水準を切り上げている。市場では黒田発言の影響力が大きく低下し、本質的に流れを変えるには金融政策の正常化が唯一の策とみる向きが多い。
ファイブスター投信投資顧問の岩重竜宏シニアFXアナリスト
- 黒田総裁は初めて口先介入をしたが、効かなかった理由は明白。一方では指し値オペを実施しているため。きのうのような発言だけでは流れは止まらない
- 21日に検討されている日米財務相会談で、万一為替介入のお墨付きを得たといったことが水面下であるとすれば天下の愚策。一過性の影響しかなく、マーケットにボラティリティーをたきつけるだけしかない
- 130円に向けた流れは変わらない。おそらく135円を目指して、あまり大きな調整局面はないかもしれない
大和アセットマネジメントの亀岡裕次チーフ為替ストラテジスト
- 最大の焦点は米国の金利上昇が続くのかどうかで、もう一つは日銀の金融政策に何らかの変化が見られるか。ただ、少なくとも日銀政策が大きく変わることは考えにくいので、日本の要因から円安の流れが変わるのは難しいと思う
- 金融政策と為替に関する政策が一致するようにならないと、口先介入にしても実弾にしても効かないし、当然海外の協調姿勢も得られにくい。やるべきことやってないのに、お願いしてもという感じになる