「ヒンデンブルグの予兆」、米株に急落サイン
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グローバルマーケット
2022年4月15日 20:40
米株式市場の急落を予見する「ヒンデンブルグの予兆」(ヒンデンブルグ・オーメン)と呼ばれる警戒サインが約2カ月ぶりに点灯し、個人投資家のSNS(交流サイト)などで話題になっている。
「52週高値・安値の更新銘柄数がともに、当日の値上がり銘柄と値下がり銘柄数の合計の2.2%以上になる」「ニューヨーク証券取引所(NYSE)総合指数が50営業日前を上回る」などの4条件を満たすと点灯する。点灯後1カ月以内は、株価が大幅に調整する可能性が高くなるという。
法則性をつかんだ盲目の米物理数学者ジム・ミーカは、発見から数年後に事故死したとされる。第2次世界大戦前に爆発事故を起こしたドイツの飛行船ヒンデンブルグ号になぞらえ「不吉な予兆」としてこの名称が定着した。
「実績」はある。eワラント証券投資情報室によれば今年1月17日、2月14日に点灯し、いずれも1~2週間後にダウ工業株30種平均が一時3%前後下がる日があった。コロナショック前の2020年1月末、米中貿易摩擦が顕在化した19年5月、7月の急落前にも点灯していた。
「点灯すると毎回下がるわけではないが、下がるときはだいたい点灯している」(大和証券の木野内英治チーフテクニカルアナリスト)というのが市場の評価だ。SNSで特に話題になりやすく、投資家心理を冷やす効果は一定程度あるとみられる。
インフレやウクライナ情勢など、市場は不安要素に事欠かない。予兆が示す波乱相場は近づいているのだろうか。