夏至も過ぎて

　今日は昨日と同じようなお天気で
　くもり空で涼しい一日・・・
　それにして今年は雨量が少ない
　六月もあれよあれよという間に後半になろうとしている。。
　梅雨はどこへ行ってしまったのだろう・・

　今日聴いたジャズ・・・チェット・ベイカー＆エンリコ・ピエアラヌンツィ
　
　　　「SOFT　JOURNEY」


　本作はEGEA　HISTRICAL　COLLECTIONのPIERANUNZI　SERIES　第３弾として復刻された。
　エリンコのお気に入りだったチェットとの共演盤。エンリコ自身何よりも復刻を熱望
　していたアルバム。。

　フロントにチェット・ベイカーとマウリッツィオ・ジャンマルコ（テナーサックス）
　リズム隊にエンリコ、リカルド・デル・フラ、ロベルト・ガトーを配した最高のメンバーで
　臨んだ力作。

　１・SOFT　JOURNEY・・２・ANIMALI　DIURUI・・３・BROWN　CAT　DANCE・・４・MY　FUNNY　VALENTINE・・
　５・NIGHT　BIRD・・６・FAIRY　FLOWERS

　１、３、５、６はエンリコのオリジナルで、その陰影深いエンリコの楽曲が全体の雰囲気を支配している。
　表題曲はふよかな音色のチェットのトランペットとエンリコのエレガントなピアノが溶け合っている。
　１０分以上にも及ぶエンリコとチェットのデュオ４では翳りと孤独を内包したチェット・ベイカーの
　ボーカルにしみじみとしてしまう。またチェットのボーカルは２でも聴ける。６でのトランペットもまた
　心酔するほどである

　CHET　BAKER（tp　vo）
　ENRICO　PIERANUNZI（p）
　MAURIZIO　GIAMMACO（ts）
　RICCARDO　DEL　FRA（b）
　ROBERT　GATTO（ds）

　１９７９年１２月４日、１９８０年１月４日　ローマでの録音

　チェット・ベイカー：

　１９２９年１２月２３日アメリカ合衆国オクラホマ州イェール生まれ。
　ジャズ・ミュージシャン。ウエストコースト・ジャズの代表的トランペット奏者でありヴォーカリストである。

　エル・カミノカレッジ音楽専攻。トランペットの実力はチャーリー・パーカーにも認められ１９５２年から
　１９５３年にかけて彼のバンドでも活躍した。その時の演奏は「THE　BIRD　YOU　NEVER　HEART（STASH）」で
　聴くことができる。また中性的なヴォーカルも人気があり１９５４年にレコーディングされた、
　「CHET　BAKER　SINGS」の「MY　FUNNY　VALENTINE」はチェットの代表曲の一つであり、同楽曲のカヴァーの
　一つでもある。このチェットの歌い方にジョアン・ジルベルトがインスパイアされボサノヴァ誕生の一因になった
　と言われている。

　１９５０年代の半ばはマイルス・デイヴィスも凌ぐ人気を誇っていたが１９５０年後半から１９６０年にかけて
　ドラッグ絡みのトラブルに巻き込まれ米国のみならず海外公演先のイタリアでも逮捕される。さらに１９７０年
　にはドラッグが原因の喧嘩に巻き込まれて歯を折られてしまい演奏活動の休業を余儀なくされた。
　この間は、生活保護を受けガソリンスタンドで働いていたという噂きかれる。しかし１９７３年ディジー・
　ガレスビーの尽力により復活を果たし、１９７５年頃より活動拠点をヨーヨッパに移した。

　１９８６年３月に初来日、翌１９８７年にも再来日した。また１９８７年から１９８８年にかけてファッション・
　フォトグラファーのブルース・ウェーバーがチェットの自伝的ドキュメント映画「LET’S　GET　LOST」を撮影
　していた。

　１９８８年５月１３日、チェットはオランダアムステルダムのホテルの窓から転落して死亡した。５８歳だった。
　転落の原因は定かでない。
　ドキュメント映画「LET’S　GET　LOST」は彼の死後まもなく封切られアカデミー賞ドキュメント部門にノミネート
　された・・・