春先の氷が「うすらい」ならば、春の淡い日差しは「うすらび」。
「薄日」「薄れ日」ともいう。
あからさまに際立った存在であることを強調しない、恥じらいにも似た
慎ましやかな日の光が長く影をつくる。
薄く淡い彩りを「うすだみ」といい、薄彩みと書く。立春とはいっても、
春はまだ薄青色。「白し」が「著し」からきているのに対して、
「青し」は「漠(あお)し」で、くっきりと明確ではないことを顕わす色
なのだそう・・・
今日聴いたジャズ・・・
DOMINICK FARINACCI・・・「SMILE」
本作は、ウィントン・マルサリスも絶賛する『神童』とも言われる、トランペット
奏者、ドミニク・ファリナッチのリーダー・アルバム。
M&Iからの第4作目にあたる作品。以前書いてきた、「マンハッタン・ドリームス」、
「セイ・イット」「ベサメ・ムーチョ」に次ぐアルバム。
プロデュースは同じく、木全 信氏による。バラードの巧さに定評のあるファリナッチ
らしく、選曲も彼らしさをアピールしたものが多い。
全9曲中、ファリナッチのオリジナル2曲(7、8)タイトル曲のチャールズ・チャップリン、
ジョージ・ガーシュウィン、コール・ポーター、ベニー・ゴルソン、達の名曲、他、
ジョアン・ジルベルトが採りあげたためボサノヴァのイメージが強い「ESTATE」や、
ミュージシャンが好んで演奏する「THE NEARNESS OF YOU」も興味深い。
メンバーはファリナッチと気心の知れたミュージシャンを起用していて、各々の名プレイも
聴きどころ。
1・WHO CARES・・・2・THE NEARNESS OF YOU・・・3・ESTATE・・・4・JUST ONE OF THOSE THINGS・・
5・I REMEMBER CLIFFORD・・・6・COME RAIN OR COME SHINE・・・7・THE GREY GOOSE・・・
8・RELAXIN’AT PETER’S・・・9・SMILE・・・
2では、”YOU’VE CHANGED”の中のファブリッツオ・ボッソの演奏、
6では、”ブルース・フォー・マイルス”の中のフレディ・ハバードのミュート・プレイを
思い出してしまう。どれをとっても聴きごたえのある曲に仕上がっている。
ドミニク・ファリナッチ(tp)
ダン・カウフマン(p)
ヤスシ・ナカムラ(b)
カーメン・イントレJr(ds)
ジョン・イラバゴン(as ss)
2004年12月9日録音・・・