二十五歳で夭折した立原道造が、高原の恋が終わってしまったあとの想いを歌っている。
” また風が吹いてゐる また雲がながれている 明るい青い暑い空に
何のかはりもなかったように 小鳥のうたがひびいてゐる 花のいろがにほつてゐる ”
「無一物無尽蔵」とは、一物もない中にこそ尽きることのない宝がある、という意味だろうか・・・
私たちはしばしば、文明的なものが一物もない世界に、無尽蔵の宝を求めようとする・・
今日聴いたジャズ・・・
THE EUROPEAN JAZZ PIANO TRIO・・・「ARTFULLY」
本作は1966年生まれ、ジャズピアニスト、ビル・チャーラップのリーダーアルバム。
静謐な曲、弾んで演奏される曲などを織り交ぜた、TOTAL TIME 72:40という長尺のライブ盤。
1・EVERTHING I LOVE・・2・LEIBERMANS・・3・THE PEACOCKS・・4・ARTFULLY・・
5・A BALLDS&FIVE BROTHERS・・6・SOPHIE・・7・VIVI’S WALTZ・・8・TRICOTISM・・
9・LOVE ROLLS ON・・10・I’VE GOT MY LOVE TO KEEP ME WARM・・11・THE PEACOCKS(epilogue)
○ピアノソロから始まりベースが静かに絡んでいる。3人が一体となって紡ぎだされる音色がしみじみとしている
コール・ポーターの曲・・1
○アップテンポで明るい曲調。タイトル曲を書いたJACK REILLYの曲・・2
○チャーラップのピアノで奏でられる味わい深い、JIMMY ROWLESの名曲・・3
○タイトル曲。静謐なピアノソロで始まる。ベースもドラムスも静かにサポートしている・・4
○弾んで演奏されている。ジェリー・マリガンらしさがよく表現されている楽しい曲、マリガンの曲・・5
○スローテンポで穏やかなピアノ、ベースで始まる。3分足らずの短めの曲ながら抒情味のあるピアノが聴ける
チャーラップの曲・・6
○やや弾んで演奏される。途中、マイ・フェイバリット・シングスのイントロをちょっと入れたりしてチャーラップ
の遊び心も見えるチャーラップの曲・・7
○アップテンポで演奏され、ベースソロも味わい深く3人のバランスがよく取れている、オスカー・ペティーフォード
の曲・・8
○ゆったりした曲調。ここでもチャーラップの茶目っ気のあるフレーズが一瞬聴ける、DAVID FRISHBERGの曲・・9
○弾んだ曲調の中に楽しさがありベースソロがここでも華をそえている、IRVIN BERLINの曲・・10
○epilogueとして再び演奏されている、THE PEACOCKS・・11
BILL CHARLAP(p)
STEPHEN KEOGH(ds)
MARK HODGSON(b)
タイトル曲もチャーラップの詩情のあるピアノが聴けて好きだけど何といってもジミー・ロウルズの書いた名曲
” THE PEACOCKS ”をここで聴けるのはうれしい。しかも二度演奏しているところからチャーラップもこの
曲が大好きなんだろうなぁ~
他のバージョンでは、スタン・ゲッツをフィーチャーした、ビル・エヴァンスの「BUT BEAUTIFUL」の中のこの曲
もゲッツがしみじみと吹いていて好感の持てる曲に仕上がっている。
ヴォーカルでは、ティアニー・サットンが「UNSUNG HEROES」でこの曲を歌っている。これだけを聴くために
ターンテーブルに載せることもしばしば・・・ピアノはもちろんクリスチャン・ジェイコブ。。
THE PEACOCKSを書いた、ジミー・ロウルズについて:
1918年8月19日、米国ワシントン州スボーケン生まれのジャズピアニスト。
40年にベン・ウェブスターのコンボでプロ活動を開始。41年以降は、レスター・ヤング、ビリー・ホリデー
らで活躍後、兵役を経てトミー・ドーシー楽団やスタン・ゲッツと共演。代表作は54年リバティに残した唯一の
「レア・バッド・ウェル・ダン」。多くの女性歌手の名伴奏者として知られるアーティストらしく軽やかでスインギー
なプレイが楽しい。いぶし銀のような玄人好みのピアニストの職人芸が味わえる一枚。
その後70年代に入るまでピアノトリオの作品は残していない・・・