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きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

songzhaoのボケ封じ数学講座第65講

2007年12月26日 | Weblog
 前講に追記しようと思いましたが、はなはだ長文となってしまうので講を改めることにしました。

 前講では、2つの比率の差を検定しましたが、今回は1つの比率の分布を検定する方法を考えます。

 設問:
 ある工場の製品について、不良品を含む割合が平均2.7%であることが経験上分かっている。あるとき、製品200個を無作為抽出したところ、不良品15個が発見された。このことは異常であるといえるだろうか。(学研エリア教科辞典13数学450ページより、設問をお借りする)

 
 この200個の不良品の比率p1は15/200=0.075である。・・・これが異常かどうかが問題である。

 やり方は、まず正常であるという仮説、すなわち、H0:p=0.027(2.7%)を立て、これを検定する。このときの対立仮説をH1:p>0.027とする。したがって、この案件は片側検定となります。

 ・・・で、この標本pの分布の平均は(母集団の比率)は0.027、標準偏差はSQR(0.027*0.973/200)≒0.011・・・となります。したがって、5%(0.05)棄却域は(p-0.027)/0.11>=1.64すなわち、p>=0.045となります。・・・・これは、pが0.045またはそれ以上だったら棄却域に属するということなので、仮説H0は棄却され、p1=0.075という比率は異常であるということになります。

 さて、ここで使った標準偏差を計算する定理、SQR(p1*q1/n1)は前項の2つの比率p1、p2の差から標準偏差を求める定理のうち、p2*q2/n2の部分を0にしたものです。

 それを承知の上でプログラムを使ってみましょう。

 FX-890PをONし、メニュー画面から7を選択します。ヒリツp1= ?には、仮説H0の比率0.027を入力します。サンプルノスウn1=?には200を入力します。ヒリツp2=?はエンターキーでスルーします。サンプルノスウn2= ?もエンターキーでスルーします。

 すると、ヒョウジュンヘンサ0.011という答が得られます。

 次に、メニュー画面に戻って、5を選択して5%(0.05)の棄却域の計算をしてみます。キキャクイキ ?には0.05を入力し、カタガワケンテイ1を選択します。xノヘイキン ?には0.027を入力します。xノヒョウジュンヘンサ ?には0.11を入力します。

 得られる答は、棄却域が x<=0.00885 または x>=0.04515 このときのZの範囲が Z<=-1.65 または Z>=1.65 となります。・・・・ところで、このZの値は確実に棄却域に属する数値ですが、-1.64 或いは1.64のほうが0.05の有意水準に近いかもしれません。この作業をこのプログラムでは行っていませんので、0.01未満の棄却域が信頼区間側に食われている可能性があることを承知してください。教科書では95%の信頼区間は -1.64<Z<1.64 としていますが、これはこの方が95%の信頼に近いからだと思います。いづれにしても、1.64と1.65の間はグレーゾーンです。

 また、第63講のプログラムに (1225 IF N2=0 THEN N2=1) と1225行を追加しておけばn2に1を入力する煩わしさから解放されます。


 今年も今日が12月26日、熟年者にとって一年は束の間のごときものだとしみじみ思います。来年も何かテーマを見つけて頑張ろうと思っています。・・・・それでは皆さま健康で好いお年をお迎えください。