昨日今日明日

きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

赤信号皆で渡れば恐ろしい

2008年03月31日 | Weblog
 アメリカ合衆国発のサブプライムローンなども、煎じ詰めれば現代経済数学の破綻なんだろうと思います。・・・・ご馳走を全員で食おうと思ったらそれが破綻に繋がる。

 例えば、学校で習うガウス曲線は縦軸に10倍も拡大されているので、10倍のインパクトがあるのですが、実のところ凪いだ水面に水滴を一滴落としたぐらいの現象に過ぎない。自然現象と人為的現象(=人間の欲が現象をゆがめる)の境界を区別する良識が常に求められていると思います。

 今日は、静岡新聞の社説を記録しておこうと思います。

 数学のすすめ

 科学と技術の基盤守れ

 日本が世界に誇る数学者、関孝和が亡くなって今年で三百年になる。孝和は井原西鶴や松尾芭蕉と同世代で、日本独自の数学である和算が発展していく土台を築いた。

 日本は明治以降、欧州から近代数学の導入を進め、戦後の研究活動は世界レベルに達した。それがここに来て危機的な状況になっている。衰退すれば政府の掲げる科学技術創造立国も危うい。真剣に対応策を考えなければならない。

 文部科学省科学技術政策研究所が2006年に発表した調査によると、年間の博士号取得者は約180人と少ない。1,000人近い米国は別格としてフランスは350人、ドイツは490人もいる。

 海外の学者から、「主要な学者の後を継ぐ人材が育っておらず、長期的にみて日本の数学研究能力は低下している」と心配する声も出たという。数学の振興を忘れていた政府も、やっと支援に本腰を入れるようになった。昨年閣議決定された技術革新の長期戦略指針「イノベーション25」に数学の推進が盛り込まれ、新しい研究プロジェクトも始まった。

 環境問題や医療、金融商品のリスク分散など社会的ニーズの高い問題を解決するため、数学者がほかの分野の研究者と一緒に研究するというプロジェクトで、課題募集に対し若手を中心に約170件の応募があった。

 背景には研究上のニーズもある。昔から数学者は自然科学など純粋な数学の外側で、新しいアイデアを発掘してきた。今は産業の抱える問題が、そんな源泉の一つとして見直されている。

 金融商品開発や情報通信に欠かせない暗号技術をはじめ、画像診断、音楽・画像データの圧縮技術、科学や製鉄の生産工程の分析と、身近なところで数学者の活躍する場が広がっている。

 純粋な数学研究は勿論大事だが、産業との出会いも増えるといい。文科省が昨年決めた「世界トップレベル研究拠点」で出会いの場を作る案が数学者から出たが、実現しなかった。めげずに模索を続けてほしい。

 数学では何も手掛かりのない状態から思考を重ね、結論を出す訓練を積む。マニュアルのない世界で、混沌の中から「何が数学の問題か」を見つけ、解決する能力は、企業にとっても魅力的ではないだろうか。

 和算は、刺激となり活用の場ともなる自然科学が日本になかったため、十分に発達しなかった。数学研究が同じ道を辿らないよう、しっかり支えたい。(以上)

 最初になすべきことは、数学者にそれなりのポストを保障する社会を創造することであると思います。条件があれば、必ずそれなりの結果が付いて来るものと思います。