Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

THE CHILD IN TIME

2017-10-08 00:00:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
ひとつ前に書いた通り、久々にBBCが見られたので、原作小説を読んで気に入り楽しみにしていた「THE CHILD IN TIME」をやっと見られました。

小説の邦題は「時間の中の子供」で感想はこちら → book

ではドラマの感想行きます。ちょっとネタバレなしには書きにくいので、バレますので、避けている方はここまでね。



まず、私には珍しく原作を読んでいるので、どうしても違いに注目してしまいました。

90分のドラマ化のせいか、それとも文学の映像化だとどうしてもそうなるのか、単純化されていました。

主人公スティーヴンの両親の若い頃の話や、親友チャールズと首相の関係など。この2つはなかなか面白かったので、スティーヴンと奥さんの心と関係に焦点を絞った結果でしょうがちと残念です。

それと小説では違っていたと思うラストシーン、何で奥さんは出産の日までスティーヴンに子供のことを黙っていたのかわかりませんでした。

ドラマ的には文字どおりドラマチックでしたが、電話で分娩室に呼ぶってひどくないですか?!奥さんは第二子の妊娠で幸せが戻りつつあったであろう9ヶ月間、スティーヴンは奥さんの心配もしていたはず。何なのあの奥さん???

それと小説で私が感じたキャラクターとドラマの違いも。

スティーヴンは、小説だと心がもっとナヨナヨとナイーブかつ思考は冴えてる感じでしたが、ベネディクトさんのスティーヴンはもっとしっかりしている感じに見えました。彼がプライベートでしっかり旦那さん&パパをやっていそうなのでつい投影したのかもしれません。

チャールズの方も小説の方がもっと魅力的なキャラで、ドラマだとあまり人格を感じられませんでした。

やはり、文章だと感情と思考が長々と綴ってあるので内面が具体的にわかるけれど、ドラマだと映像に気を取られて、住んでいる家や町の様子に注目してしまい人物を(小説に比べ)表面的にしか理解できないです。

チャールズの死に方も小説では雪の降る日で映像的な描写だったのですが、ドラマではかなりストレートでショッキングな感じになっていました。

この2人の男性の奥さんたちは小説の印象と違いが少なかったです。でもスティーヴンの奥さんジュリーはドラマの方がかわいらしかったです。女優さんのルックスや話し方のせいかな。

それとスティーヴン夫妻の心のロスについて、小説を読んだ時の私はスティーヴンの世の中に対する態度が鬱屈すぎると書いていたんですね。

しかし、人間は、感情に耐え切れないほどのストレスがかかると、論理的な思考ができなくなる、という体験を私自身が仕事を通してしたばかりだったので、今ならスティーヴンやジュリーが身動き取れなくなることがよく理解できます。

ドラマにしろ小説にしろ、何かの作品を味わうということは、受け手の知識だけでなく体験によっても変わるんだなあと実感しました。



はろーびーびーしー

2017-10-07 15:16:00 | いろいろ
私がこちらに海外ドラマの感想を書く時、国内未放送/未配信のものはネットでバーチャル・プライベート・ネットワーク利用で見ているわけですが、

4年間も有料(2800円くらい/年)契約していたのに、突然びーびーしーが見られなくなりました。

しかもその時、ベン・ウィショーが出演、マーク・ゲイティスが主催した「Queers」というドラマシリーズを見ている最中に。

それまでずっと見られていたのに?!何がおかしいのか?!と何度かつなごうとしてはダメ、そのサービスではない無料のをダウンロードして再度試みるも、どういうわけかびーびーしーは見られません。

一方、ITVはどちらのネットワークでも見られていたので「VICTORIA」を見ては自分を慰めておりました。

しかし、有料サービスの方は年間契約が自動更新されるようになっていて、しかも「更新しますか?」などのお知らせも確認もなく突然「更新のお礼と金額」がメールで送られてくるんです。

あれは確か秋だった!うかうかしているとまた更新されて見れもしないんだわ!と慌てて解約の仕方を調べましたが、日本語では方法がわからず英語サイトで公式ヘルプセンターを見つけました。

ところがところが、わかりやすく書かれた通りに自動更新をキャンセルしようとしても、私のマイページには「クリックしてください」と案内されている「契約」のボタンが見当たらず、そこからもう進めない状態に。そのボタンがないこと以外は案内ページに出ているのと私のマイページは同じデザインなのに。

しぶしぶサイト上で解決できない問題のためにある、メールで相談のページから挑戦することにしました。ああ、でも、企業にメールしても一体返事はいつ来るの?!更新月は来月なのに(大粒涙)。

と思いつつも、解約リクエストと私の状況を説明し、「契約」ボタンのないマイページのスクショも貼り付けてメールを送りました。

なんと翌朝、お返事がきて、「自動更新はキャンセルされました。お客様は〜月〜日まではサービスをご利用になれます。解約は非常に残念です。」

あれ?!仕事早い!

「お客様のマイページ上では『契約』との表示が続くかもしれませんが、更新キャンセルの手続きは完了しました。」

・・・なんだかウエブ表記、全く信用できないということでしょうか。。。。


とにかく、一応これで2800円くらい(金額が年によってレートの差か違うんです)の金額は支払わずに済む!と安心し、

今日は無料のネットワーク経由の方で、ふと、びーびーしーに行ってみたんです。

そしたら?!

繋がったんです?!

どういうことなのかわかりませんが、数ヶ月ぶりにびーびーしー!!

早速、「THE CHILD IN TIME」を見ました。感想は改めて書きますね。

ああ、これで、ベン・ウィショーとヒュー・グラント出演スティーヴン・フリアーズのドラマ「A Very English Scandal」は見られそうです、あああああ!






VICTORIA 0206

2017-10-05 22:06:00 | トム・ヒューズ


ヴィクトリアが産後鬱だったり、アルバートが自らの出生の秘密に並んだりと言った、プライベートなエピが続いていたシリーズ2でしたが、

今回は、アイルランドのじゃがいも大飢饉と、下水道やトイレ改革に勤しむ王配殿下のエピでした。

時のイングランド政府はアイルランドの飢餓なぞ対岸の火事。それどころか飢えで農民が死んでいても、農作物は輸出されていたとのこと。

アイルランドでは当時の人口600万人台のうち150万人が飢餓や移民で減った歴史的な飢饉だったそうです。4分の1が減るとは凄まじいですね。

ヴィクトリアは自分の子供を抱きながら、「自分の子(国民)を飢えさせるわけにはいきません」と首相に泣きながら訴えました。

政治家に涙を見せるとは感情的な女王様だな、と私は思いましたが、

また、宮殿内の男性も「女は感情的だから」と言う人もいましたが、

ヴィクトリア時代、帝国主義で白人以外の世界の国をどんどん植民地化して「日の沈むことのない帝国」を築きつつも、植民地の人たちからは女王は人気があり、それは「母」として慕われていた、という話を思い出しました。

感情は知性を妨げるもの、という図式が一般的ですけど、知性だけでは築けなかった大英帝国だったのですね。

ヴィクトリアがアイルランドを気にかけている間に、アルバートの方は宮殿の敷地の下を流れるローマ帝国時代の下水道を見たり、ロンドンの衛生状態を勉強して、バッキンガム宮殿に水洗トイレを作っていました。チャリティは身近なところから、とまずは自分の使用人の衛生状態の改善とは、なかなか家庭的な旦那さんです。

それと気になるのが、アルバートの兄アーネストがひょっこりロンドンに現れたと思ったら、それはどうやら梅毒治療を匿名で受けるためだったようで。お父さんを亡くして女遊びをアルバートにたしなめられていましたからね。。。

それが毒性のある水銀治療で、アーネストが心配!梅毒は1840年代にヨーロッパで広がっていたそうで、コルボーグ公国の君主が梅毒って歴史上の事実なのかわかりませんが、子供も望めなくなるとか。一国の主が世嗣ぎを持てないって国の不利益で心配!まだ結婚もしてないんですけども。




猫カフェと裏原ショップ

2017-10-03 22:00:00 | 国際結婚・家族のこと
夫の友人家族がニュージーランドから日本へ旅行で来たので、<家族ぐるみのお付合い>というやつを週末やりました。

14歳と9歳の男の子がいる家族でした。

まずは土曜日の夕食に御徒町の「吉池食堂」に集合。ここは典型的な和食メニューが揃い、お魚屋さんの「吉池屋」がやっていて寿司カウンターもある定食屋&居酒屋で席数も多いので、外国からのゲストで人数が多い時によく利用します。

新鮮だったのは、子供達がお刺身や天ぷらをばくばく食べていたこと!今や何人でも大人は寿司や刺身をベジタリアン以外は食べますけど、子供はどうかな、と思っていたので。9歳の子なんてお箸ヘッタッピーでも気にせずチャレンジしてました。外国でチャレンジ精神はいいですねー

ご飯の後はアメ横をちょっと歩いたのですが、立ち上がってびっくりしたのは14歳が身長180cmくらいあったこと。座ってたら9歳の子と座高がさほど変わらなかったのに。

そしてこの子が14歳にしてファッション・コンシャスで、スポーツ系のおしゃれさんなのでした。アメ横のスポーツショップを見まくるも、「フェイク?」との疑念が湧いてきたのでお買い物はなし。さすが!アメ横の格安店はフェイク品混じってそうですものね。

翌日は原宿へ。

14歳君はここでも行きたいところは決まっていて、「ベイジング・エイプ」と「スプリーム」。なぜか日本ではシュプリームと発音されて(記述も?)いるけど、英語読みはス。

アンセル・エルゴートくんも着ているNYCのスケーターブランドなので、私も見たかったので一緒に行きました。かわいいスエットやキャップがありました。お値段も有名店だけあるスプリームなお値段!

を14歳くんはご購入しておりました。さすが!

しかし問題は買い物のあと。

店の外にいたご両親に「試着したのか」「小さくないのか」と言われて、もし小さかったら大きいサイズに変えてもらおうと、今買ってきたばかりのTシャツを試着させてもらいに店に戻りました。店員さん英語通じないかも・・・と私も行ったら、

「返品交換はしない」とのこと。

いやしかし3分前に買ったものだし、サイズの交換もダメなの?と聞いても、「うちは、そっちからカウンターに持ってきたものを売ったんで。」

それはそうですが。まだ14歳で親御さんに言われてるんですけど、とも言ってみたけど効果なし。確かに14歳でもお金は払ったのは本人ですけどね。

しかし、試着するのはOKとのこと、とにかく着てみたら、なんのことはない、大きいくらいだったのでノープロブレムでした。私はもしも小さかったらネットで売るか・・・と内心計画しましたが大丈夫。

14歳くんが着替えてる間に店内を見ると、女性が試着をしたいと言ったら、メイクしてるからNGと店員に言われてました。店員態度スプリーム(最高位)です。裏腹の人気店だから仕方ないの?

と思ってNY店の評判をネットで見たら、店員は優しいようですが、入店にまず3時間以上並ぶとのこと・・・・むむ。それじゃ1度買えたら返品交換なんてしませんよね。原宿店は別に列はなかったけど。

お兄ちゃんはニュージーランドにはないものを買ってご満足ですが、ずっと付き合わされていた9歳くんは疲れてしまったので、彼が日本で行きたかった「猫カフェ」を決行することにしました。

ジャーン!



私にとっても初めての体験でしたが、たまたま見かけたのが「ベンガルキャット」オンリーのカフェ、ワイルドみ満点、大きい猫科の猛獣好きの私にもぴったり!



野性味あるよねー

しかし、9歳くんにはなかなか猫が寄ってこずさみしい感じに。。。

ルールがあって、猫を抱き上げてはいけないんですね。猫の方から乗ってきたら、それは構わないそうで。決定権はお猫様に!



ベンガルキャットの群れって急流のようですw
なぜか時々奥へのドアにワラワラと群れる子たち。



やた!ついに9歳くんのおひざにも!



ちなみに、ここの子たちには紅茶の種類の名前が付いていて(インド出身だからかな?)アールグレイちゃんとか、ダージリンちゃんとか、ペコちゃんとかオシャレな名前が付いておりました。

この日の締めは、プリクラへ突入!9歳くんも彼のママも入店した途端、目が輝いて、なかなか喜んでもらえました。しかしプリというのは、日本人用に加工が入ってるから、白人の人はあまり美しい仕上がりにならない印象・・・でも「いいお土産になる」と喜んではいました。よかった。


ドリーム Hidden Figures

2017-10-01 22:39:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


とてもいい映画でした。日の目を浴びることのなかったアメリカの宇宙計画に貢献した優れた女性達のことを知ることが出来ました。

よかったのは、このような高い教育を受けたアフリカ系アメリカ人の家族やコミュニティや人間関係のことって、外部の人にとってもっとステレオタイプの貧民街やひどい差別迫害を受けたアフリカ系の人に比べ注目される機会がなかったので、初めてまとめて彼らの世界を世界中の人が見るチャンスに恵まれたことだと思います。

仕事ができるのに黒人で女性だという理由で不当に扱われてきた人達の話だということで、

ブログを続けてお読みいただいてる方には周知のことですが、仕事で悩んでいる私は、励みになるかな?と見に行ったのでした。

その結果、映画として、史実の入った宇宙モノには胸が高鳴るし、ストーリーも人間の描き方もとてもいい出来栄えだったのですが、

自分の仕事の励みには、

ー 不当に扱われたとしてもお行儀よくベストの対応をすることが後の信頼につながる

とわかりはしたものの、

主人公の3人の女性が天才的に優秀なため、自分の仕事の参考にはならないことが超ガッカリでした。

さらに、この人種性別差別の雰囲気が、この舞台である1960年代から50年以上も過ぎた日本で別の形で残っていることを感じて、そこもガックリ。

というのは、今私が働いている職場での、アウトソーシング企業の社員に対する無意識的な見下しとも言いましょうか、要するにエリート企業社員から1段低い人間扱いされているような空気がありまして、

それが、「ドリーム」でキャサリンがコーヒーを白人男性とシェアできないような、日常の小さいところに潜んでいるような気がするのです。

それは、「ドリーム」にも出てきましたが、差別している方は特に失礼な言葉遣いをしているわけでもないのでその意識はないのですけども、

差別されている方には下に見られていることって感じるんですよね。

肌の色や性別といった自分で選んだわけではないことで嫌な目にあうのも嫌ですが、彼女たちには高い能力があったおかげでそれを改善していくことができました。

でも、そうでない、天才でない人間が能力のせいで下に見られるのは改善の余地もないのでは?とちょっと映画のポジティブなオーラとは反対のことを感じてしまいました。


ところで、60年代ファッションも可愛らしく、男性は現在とほとんど同じに見えますが、女性は皆ウエストマークにピンヒール、真っ赤な口紅のフェミニンなスタイル。衣装と同じくらい萌えるのは、「IBM」と呼ばれる初期の巨大な計算機でした。その頃キャサリンのような数学者の手計算をする人達がコンピューター=計算担当者と呼ばれていたので、機械の方は皆IBMと呼んでいました。

現代の双璧、マイクロソフトとアップルは70年代以降ですから、この時代の計算機はIBMのほぼ独占事業で、インターナショナル・ビジネス・マシーンがIBMの正式名称だったとこの映画で知りました!

「2001年宇宙の旅」のコンピューターHALがIBMのそれぞれ1個前のアルファベットにした名前だったのも、映画の製作時期を考えると納得です。